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Archive for 2009年4月

アニメーションで理解するBPMNワークフローパターン

2009年4月27日 コメントをどうぞ

ビジネスプロセスの無償教材を提供するDiveIntoBPM.org というWebサイトに、BPMNで表記したさまざまなワークフローパターンをアニメーションで理解できるコンテンツがあるので紹介したい。


DiveIntoBPM
 

このサイトにアクセスすると上図のホームページが表示される。左のタグの”Workflow Patterns”をクリックすると、合計19種類のフローパターンが次のカテゴリで分類されている。望みのパターンを選ぶとアニメでフロー制御の動きがリアルに確認できる。BPMNで可視化したプロセス定義がプロセスエンジンでどのように実行されるか、理解するうえでとても便利だ。

  • Basic Control Flow(基本コントロールフロー)
  • Branching Patterns(分岐パターン)
  • Structural Patterns(ループバックパターン)
  • Multi. Inst. Patterns(マルチインスタンス・パターン)
  • State Based Patterns(イベント準拠パターン)
  • Cancellation Patterns(キャンセル・シグナルパターン)
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SAP Netweaverと富士通Interstage BPMのBPMNビジネスプロセス実装設計能力を検証する

2009年4月21日 コメントをどうぞ

人中心(ヒューマンセントリック)プロセス向けBPMツール群の中で業界標準であるBPMNを採用しているSAPNetweaver BPMと富士通Interstage BPM(Business Process Manager)の2製品について、BPMNによるプロセス可視化能力の観点から実装設計能力を検証してみた。この2製品は、現時点で最もBPMN標準に準拠し、日本国内でサポートを受けられる製品と評価しているからである。

それぞれの製品が提供するBPMNサンプルダイアグラムを次の図に示す。


Netweaver


Interstage

「BPMN標準に準拠している」私なりの基準は、まがりなりにもBPMNの特徴である①イベント、②外部プロセスとのメッセージ交換(相互関係)、を表記できる点をあげている。現時点では、BPMNサポートを表明しているベンダーの中でこの2点を表記できる製品は極めて少ない状況にある。

実行可能設計の夢と現実

BPMNの狙いはビジネスとITが同一のプロセス可視化標準を採用しビジネスプロセスに関わる業務要件を共有して双方のコミュニケーションギャップをゼロに近づけ、モデリングの最終成果物であるTo-BeモデルをBPMSのプロセスエンジンで実行可能なビジネスプロセスモデルに最小の労力で変換(設計)できることにある。OMGのBPMN標準開発チームは「人の介入なしに」この変換過程をゼロにする夢を追って標準仕様の拡張に努力している。しかし、BPMN標準で書かれたすべての図形表記を100%忠実に解釈し自動実行するプロセスエンジンは現在のところ存在しない。また、今後5年以内でも登場しないだろう。このギャップを埋めるには現在のところITエンジニアのプロセス設計能力に依存せざるを得ないのである。

プロセスモデル実装設計時に必要な変換スキル

ITエンジニアのプロセス設計能力とは、BPMNで表記したプロセスモデルを熟読し、ターゲットプラットフォームに機械的には実装できないプロセス要件を洗い出し、それらのミスマッチ要件をそれぞれのベンダー固有言語を使って実装するスキルである。下図はプロセスモデルの大きな変換点を示している。変換1は現状(As-Is)のプロセスモデルをあるべき姿(To-Be)に改変する過程であり、変換2はターゲットプラットフォームで実行可能なプロセスモデルに改変する過程である。変換1のスキル要件はビジネスアナリストに求められ、変換2のスキル要件はITエンジニアに求められる。ITエンジニアはBPMNで表記されたプロセスパターンの読解力を持つとともにターゲットプラットフォームのBPMN表記能力の限界を熟知しておく必要がある。


プロセスモデル変換パス

BPMNで定義したプロセス要件をどこまで実装につなげられるか?

SAPと富士通のご協力を得て当該製品が最新のBPMN1.1仕様で定義されている表記をどこまでサポートしているか次の資料にまとめてみた。

SAP Netweaver BPM編 (PDF – 399.2KB)

富士通Interstage BPM編 (PDF – 410.6KB)

この資料を見られた方の中には、「サポートできない範囲が多いね!」、「これじゃ使えないのでは?」と判断される諸氏がいらっしゃるだろう。私は逆に「ここまでできるようになった!」とプラス指向で受けとめている。

BPMNは、人中心(ヒューマンセントリック)プロセスモデルの表記とシステム統合(インテグレーションセントリック)プロセスモデルの表記の和集合であり、表記図形要素とその図形の組み合わせパターンも多様になる(パターンの参考:アメリカ国防総省(DOD)のBPMNを使ったビジネスプロセスモデル設計ガイドライン)。しかし、2製品が対象とする人中心プロセスモデルでは、システム統合プロセスモデルに比べて使用する表記図形要素は少なく、○×での判断は禁物である。

BPMN独特の表現にメッセージ中間イベントとタイマー中間イベントがある。これらは人中心のプロセスを表記するには非常に便利で頻繁に使用する。メッセージ中間イベントの例を挙げると、下図の送受信パターン1をよく使用する。この表記はSAP Netweaver BPMはサポートしていないが、送受信パターン2に書き換えればOKである。


送受信パターン

あえて表記サポートしてほしい人中心のプロセスパターンを挙げるとすれば、イベント準拠ゲートウェイのサポートだ。次の例は「外部にある回答を依頼し、その回答を受領後、その分析作業に移る。1週間経過しても回答がなかったら回答を督促する。それでも回答が得られなかったら回答が受領できるまで繰り返す。」といったビジネスプロセス(ポリシーの方が適切かも知れない)を簡潔に表現している。この表記はBPMN1.1で追加された新しい表現法で、このポリシーを文章で表現すると多様なアナログ的表現になるが、BPMNを使えば簡潔に形式化したデジタル的表現が可能であり、ビジネスアナリストが随所で使いたくなるパターンだ。このパターンはBPELには変換可能だが自動解釈して実行する人中心のプロセスエンジンは未だ存在しないため、このパターンで表記されたプロセス要件をどのような方法で実装するかはITエンジニアの腕にかかっている。


イベント分岐パターン
  

 

BPMN 2.0標準採択によりベンダー製品開発競争はさらに加速化する

現在審議中のBPMN 2.0仕様が本年6月ごろOMGで採択される予定である。この仕様策定にはIBM, SAP,Oracleが深く関与しており、システム統合(インテグレーションセントリック)プロセスモデルにもこの新しいBPMN標準が全面採用されるきざしがある。BPMN 2.0採択後は、BPMNを設計言語(”executable design language”)、BPELをシステム統合プロセスに限った実行言語(“execution language”)に位置付けたBPM/SOAの製品開発が進むものと予想され、人中心プロセスモデルからシステム統合プロセスモデルに至る全プロセスモデルがBPMNを使って設計できる多くの製品が来年の2010年には登場するだろう。

そのころには、「BPMNで定義したプロセス要件をどこまで実装につなげられるか?」という熱い議論がITエンジニアの間で話題になるような気がする。

岩田

カテゴリー:ベンダー動向, BPM, BPMN, 標準化

3Dゲームで学ぶビジネスプロセスマネージメント

2009年4月20日 コメントをどうぞ

日本IBMのWebサイトに
3Dゲームを使って
ビジネスプロセスマネージメント(BPM)を経営学視点から学べる教材(ツール)が2008年4月3日付で「Innov8ゲームで学ぶビジネス・プロセス・マネージメント」のタイトルで紹介されている。このゲームを通して、ある仮想企業のビジネス・プロセスを理解し、業務改革案を策定したうえで最適化することがロールプレイングゲームの感覚で学べるようだ。

採用しているBPMの概念は、

  • ビジネス・モデリングおよびシミュレーション
  • コラボレーション
  • ビジネス・アクティビティー・モニタリング (BAM)
  • 分析および最適化

の4っで、ゲームに組み込まれたツールを使ってそれぞれの課題を解いていくシナリオ構成になっている。

2年前は、以下のようにSOA技術を学ぶゲームと報道されたためかあまり話題になっていなかった。現在はBPMを学ぶ教材として注目されている。

2007年11月08日: マイコムジャーナル 米IBM、ビジネスとITの結びつきを学ぶ学生向け無償ビデオゲーム「Innov8」

2007年11月07日:ITメディア IBM、学生のビジネススキル向上のためのゲーム「Innov8」

2007年05月22日: ZDNET  IBM、対話型のSOAゲーム「Innov8」を披露

岩田

カテゴリー:ベンダー動向, BPM

米国でのIT人材の需給関係を表す最新データ、“Top 10 Technology skills”

2009年4月15日 コメントをどうぞ

NetworkWorld.comの2009年3月30日付の記事に  “Top 10 Technology skills”という米国でのIT人材の需給関係を表す最新データが掲載されていたので紹介したい。

このトップ10リストは、米国のIT関連従事者の給与動向を四半期ごとに評価するFootePartnersという調査会社のデータを基にしているという。

Foote PartnersのCEO、 David Foote氏 は、「この景気低迷下で異色なのは、IT部門(企業)は、需要低迷している製品の関連職種を解雇しながら、ビジネスプロセスモデリングやプロジェクトマネージメントなど、ある特定領域のタレントを積極的に雇用しつつある。」という。実際、スキルトップ10のトップは「ビジネスプロセスモデリング」であったそうだ。
1. Business Process Modeling

Foote Partnersが実施している四半期ごとのIT関連従事者給与調査によると、ビジネスプロセスに関るマネージメント、方法論、モデリングは、2008年の第四半期で給与が増加した数少ないニッチなITスキル領域のひとつである。特に、企業はITILのITベストプラクティスとCOBITのITガバナンス経験者を歓迎していたという。これらのスキルの給与は対前年比の10.3%アップ、前年四半期比5.6%アップだったという。

IBMアカデミック・イニシャチブのデイレクターであるKevin Faughnanは、「ビジネスプロセスモデリングはビジネス系が学ぶべきキースキルのひとつである。例えば、業務はどのように動いているか、どんな業務プロセスがあり、それをどのように分析するか、のスキルである。」という。さらに、「これは、企業がビジネス上の問題解決にITを適用する前に考えるべき重要事項である」と付け加えた。

そのほかの9スキルと順位は次の通りであり、動向にご興味ある方は、記事を参照されたい。

2. Database

3. Messaging/Communications

4. IT Architecture

5. IT Security

6. Project Management

7. Data Mining

8. Web Development

9. IT Optimization

10. Networking

カテゴリー:プロセスモデリング, BPM

アメリカ国防総省(DoD)のBPMNを使ったビジネスプロセスモデル設計ガイドライン

2009年4月8日 1件のコメント

アメリカ国防総省のアメリカ業務改革局(BusinessTransformation Agency;BTA)は、国防総省のうち実戦力及び基地施設以外の業務改善・効率化を計画遂行する組織である。局のキャッチコピーは「兵士を支え、納税者に説明責任を果たす(Support to theWarfighter,Accountability to the Taxpayer)」としており、国防業務のシステム調達には、「DoD Architecture Framework(DoDAF)」を定め、公平性に対する国民の信頼を高めている。このDoDAFの構成要素には「Business EnterpriseArchitecture;BEA」があり、①戦略に基づいた無駄のないIT投資管理、②相互運用性(Interoperability)のある改革課題の達成とビジネスソリューションの実装、を実現するためとBEAの使用目的を定め、システム調達納品物への遵守が義務付けられている。

このBEAの中に、次のビジネスプロセスモデルの設計ガイドライン(DoDAF OV-6c)が公開されているので紹介したい。


PDFのダウンロードはここ(size:2MB/48ページ)

本文冒頭のイントロダクションでは、①設計と実行の異なるプラットホーム間でのラウンドトリップエンジニアリングの必要性、②モデリングおよび設計ツールの相互運用性について求めており、ビジネスプロセスモデルの可視化標準としてはBPMNを採用し特定ベンダーに依存しないビジネスプロセスモデル設計環境を要求している。

4章ではBPMNのプロセス可視化方法論として、プロセス・アクティビティの分解基準を①ハンドオフ・レベル・プロセス、②マイルストーン・レベル・プロセス、③プロシージャ・レベル・プロセスの3分類で定義している。また、5章、6章では、それぞれローレベルとハイレベルのプロセスデザインパターンを定義しており、モデル品質の均一性を保持するためのBPMNの可視化ガイドラインになっており、 充実した内容になっている。

本資料は英文ではあるが、BPMNを実践でお使いになる諸氏には一読することをお勧めしたい。

岩田