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米国BPMTechShow参加レポート (1) BPMNを採用するベンダの増加

今回のBPMTechShowに参加したベンダは次の15社である。

  • <大手ソリューションプロバイダ>
    • TIBCO, BEA, Fujitsu
  • <BPM専門ベンダ(老舗)>
    • Appian, Lombardi, Pegasystems
  • <新興BPM専門ベンダ(チャレンジャ)>
    • Ascentn, BizAgi, Bluespring Software, Cordys, Graham Technology,

      HandySoft, Integrify, Itensil, Pallas Athena

BPMNのサポートに向かうベンダ:

15社のベンダの中でBPMNの表記法をプロセスモデリングに採用しているのは、Appian, BizAgi,

Cordys, Fujitsu, Graham Technology, HandySoft, Lombardi, TIBCOの8社であった。その他は、BPMNをサポートしている表明しながら実際には未実装か、年内にサポートを予定しているベンダである。BPMNのサポート準拠レベルはベンダによってマチマチの状況にあるが、BPMNの特徴であるタイマーイベント、例外イベント、補償イベントなどを忠実に実装し、しかもBPMN1.1の最新版表記をサポートしているのは今のところBizAgiだけのようだ。これは、後発のBPMベンダは、老舗ベンダのように過去に開発したワークフローエンジンの技術制約に捉われることなく理想的な製品をスクラッチで開発できたからと思われる。

BPELを必要としない実装方式:

参加ベンダに共通して言えることは、Human-Centric、つまり人間系のワークフローを自動化することを最重要視している点である。この点ではIBM、Oracle、MicrosoftなどのSOAベンダとは一線を画す。また、Human-Centricといえど機械系のサービスインテクレーションエンジンも装備しており、人と機械のワークフォーメーションが可能になっている。これらのベンダはBPMNでモデリングしBPELに変換して実装する方式は採用していない。BPMNまたはベンダ独自のワークフロー図からダイレクトに実行可能なアプリケーションを生成する。しかもBPMS (ビジネスプロセスマネージメントスイート)の機能要件であるプロセスモデリング、フォームデザイナー、ワークフローエンジン、サービスインテクレーションエンジン、ビジネスルールエンジン、BAM(Business Activity Monitoring)を装備している。

BAMの威力-BPMNでビジュアルにプロセス最適化ポイントを発見する:

BAM(Business Activity Monitoring)のモリタリング結果は、ダッシュボートやBIツールを使ってKPIをグラフ表示するのが一般的であるが、際立った新しい取り組みについて紹介したい。それは、プロセス実行で収集されたプロセスの実行時間、回数、頻度などの統計情報をプロセスモデリングで作成されたワークフロー図のイメージに重ね合わせることによりプロセスのパフォーマンス改善ポイントをビジュアルに分析できる機能がいくつかのベンダで提供され始めたことである。具体例としてAppianとLombardiの機能を紹介する。

Appianは、プロセスの各アクティビティに平均所要時間(completion time)、平均遅延時間(lag time)を表示し、業務管理者にどのアクティビティを改善すべきかヒントを与える。

[AppianのProcess Modelerスクリーン]


AppianOptimaizer

Lombardiは、プロセスの各アクティビティをつなぐシーケンスフローの通過確率をパーセントで表示し実行頻度の高いシーケンスフローを色分けで示す。

[LombardiのOptimizer(最適化)スクリーン]


LombardiOptimaizer

いずれの製品もワークフロー図が業務分析/設計のためにだけ使われているのではなく、「実行状況のモニタリング」や「業務最適化」にも使われている点を強調したい。「実行状況のモニタリング」でワークフロー図を表示し、「どのアクティビティまで作業が終わっているのか?どのようなルートで作業指示が渡来しているのか?」をビジュアルに確認できる機能提供が最近のBPMベンダ間で流行になっており、大半のベンダが同機能を装備している。これらの事例は、さらに「実行」の次の段階の「最適化」でもワークフロー図を活用しており、他のBPMベンダも追従して行くものと思われる。

今回の見聞を通し、BPMベンダはBPMの基本概念である「継続的改善サイクル」を一貫してサポートできるアイデアを確実に具現化しつつあると感じた。また、プロセスモデルの最終ユーザは業務分析/設計者ではなく、業務改革を担う現場業務管理者であることを痛感した。

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カテゴリー:ベンダー動向, BPM, BPMN, 標準化
  1. sy
    2008年3月27日10:43

    BPMNの採用がふえているのは、いいのですが、
    ツール間のモデルの流用ができるのでしょうか

  2. 岩田
    2008年3月27日17:37

    BPMNで描いたビジネスプロセスモデルを異なるベンダツール間で交換する標準化の取り組みは、WfMCとOMGの両標準化団体で行われています。前者はXPDL(XML Process Definition Language)、後者はBPDM(Business Process Definition Metamodel)というXML標準フォーマットを定義しています。BPDMは現在RFPの段階であり、ドラフト仕様の完成は2008年後半以降になり、さらにベンダの仕様実装はさらに遅れ2009年から2010年になるものと思われます。また、BPDMはプロセスのメタデータを下流の実装工程に継承する垂直方法のMDA的な色彩が濃く、水平方向の異種BPMツール間でのプロセスモデル情報交換を求めるBPMコミュニティの間では多くの不満と疑念が存在しています。一方のXPDLは歴史があり、現在のBPMN100%準拠のXPDL2.0は、未だ完全と言えませんがいくつかのベンダで実装され実証実験が行われています。WfMCはこの実証実験の成果に基づき、KPI定義やシュミレーションパラメータを包含したXPDL2.1の仕様を2008年2月に完成させたところです。実際のところ、BPMベンダはXPDLで行くべきか、BPDMで行くべきか様子見の状況にあります。今後XPDL2.1のベンダ実装が本格的に行われば、ご質問の「ツール間のモデルの流用」は現実的になっていくものと考えています。
    詳細については、別途「XPDLの現状と将来」でお伝えしたいと思います。

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