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#8216;BPMN’ カテゴリーのアーカイブ

BPTrends ポール・ハーモンによる「2012年のBPM」の分析

2012年2月9日 1件のコメント

米国のBPMコミュニティ誌、BPTrendsは、2012年1月10日付のEメール・アドバイザー第10巻1号でポール・ハーモン(Paul Harmon)とセリア・ウォルフ(Celia Wolf)の共著で“The Coming Year(「2012のBPM」の原文)”を配信した。

同記事の日本語訳を日本BPM協会の高木克文氏からご提供頂いたので、5つの論点に分割し紹介したい。

BPTrendsは、永年にわたりBPMの動向を調査・分析しており、同記事では過去1年のBPM市場の変化が簡潔にまとめられている。この変化傾向は、日本BPM協会メンバー間でも予見していた事項で、同レポートを読んで「やはり..海外でも..」といった感想である。

 

BPMは”IT活動”ではなく”ビジネス・マネジメント活動”との認識が広まった

「BPMは、BPR、リーン、シックス・シグマにとどまらず、ビジネス・ルール、ERP、およびITプロセス活動を融合しマネージするビジネス・マネジメント活動である」という認識。

2008年に始まったアメリカの経済危機が他の国に波及し、国や地域ごとにさまざまの結果をもたらした。オーストラリアを始めとするいくつかの地域は比較的影響を受けずに済んだが、ヨーロッパその他の地域では、相当な苦難を経験した。
アメリカは緩やかな回復過程にあると見られ、たいていの人が、2012年は2011年よりも良くなると期待している。確かに2011年は、2010年よりも良くなった。
ビジネス・プロセス市場の成長に関し、おおざっぱに言えば、プロセス志向を強調する企業が従来よりも多くなった。そして、その大半が、パフォマンス向上とコスト低減という目的の下に、プロセス改革の方法論とテクノロジーに注目している。
また、数年前にはかなり支配的位置を占めていたシックス・シグマの、リーンとBPMへの移行があった。
リーンへの傾倒は、リーンは比較的短期間内に効率向上の目標を達成するのに適したアプローチだという見方から生じた。
プロセスは組織の中央でマネージされるべきであり、パフォマンスを向上・維持するためには、プロセス改革のさまざまなアプローチの、より適切なコーディネーションとマネジメントを必要とする。BPM重視の背後には、このような見方がある。
BPMをひとつのIT活動としてとらえる向きがある。しかし、BPMはビジネス・マネジメント活動である、という認識がますます広まってきた。BPR、リーン、シックス・シグマにとどまらず、ビジネス・ルール、ERP、およびITプロセス活動を融合しマネージするビジネス・マネジメント活動である。

プロセス改革アプローチを強調するプロフェッショナルの堅実な需要

ビジネスへの成果に貢献できる人材への需要が高まる。

多くの企業では、コスト低減のために従業員のレイオフに踏み切った。
だが、個人プロフェッショナルに関して言えば、幅広い観点でプロセス改革にアプローチし、組織パフォマンスの向上を強調してきた人が、新しいポジションを見つけるのに困ることは、ほとんどなかったようだ。一方、比較的限定的な視野で、自分をシックス・シグマやビジネス・ルールやBPMSのスペシャリストとして考えてきた人は、自分の位置づけを変える上で、かなりの困難に直面してきた。
柔軟性が高く、総合的アプローチを強調し、個々のテクニックよりも成果を重視する人に対する需要が、ますます高まっているのだ。

プロセス・モデリングの企業内浸透と組織パフォマンス向上の多様なテクニック論

ユーザー企業が自らプロセス可視化を推進する趨勢。「BPMSソフトウエア・ツールの導入だけではBPMは推進できない」という認識の広がり。

2005年のBPトレンズ市場調査では、自社でプロセス・モデリングを行っているという回答は50%以下であった。それが2011年の調査では、75%を上回った。かなりの増加である。同時に、2011年調査では、75%をはるかに超える回答者がBPMNに高い関心を持っていると答えた。数多くの異なるプロセス・フロー表記法が存在した時代から、より良いプロセス・モデルの全社的共有を可能にするツールとテクニックの標準化に、各社がますます積極的に取り組む時代に移行したのだ。
それと似た動きが、他にもある。2~3年前の我々の調査では、多少あいまいな区分ではあるが、自らをプロセス改革推進者(プロセス・プラクティショナー)と自認するグループからの回答を多く得ることを意図した。今も彼らは存在する。しかし今日では、かなり多くの推進者が、自身をビジネス・アナリストあるいはビジネス・アーキテクトとして位置づけるようになった。
また、BPMを取り込み始めるリーン/シックス・シグマ推進者が増加する一方、ビジネス・ルール推進者もプロセス改革活動に積極的に参画するようになった。
突きつめて言えば、広範なプロセス・コミュニティ形成が、緩やかではあるが確実に進んでいる。特定のテクニックにこだわるのではなく、組織パフォマンスの向上に最適であれば、どのようなテクニックでも用いる指向の強いコミュニティである。
さらに、BPMをBPMSソフトウエア・ツールと同一視する人も依然として存在する。しかし、BPMはBPMSソフトウエア市場よりもはるかに広範な分野であるという認識は広がってきている。

BPMS市場の変化

まだまだ続く業界再編成。

BPMS市場における整理統合は、2011年にも継続した。少なくとも5件の大型買収が行われた。
● 2011年12月 Kofax(スキャナー技術)がSingularity(BPMS)を買収。
● 2011年12月 Progress Software(ソフトウエア・ツール)がCorticon(ビジネスルール)を買収。
● 2011年8月 TIBCO(BPMS)がNimbus(ビジネス・プロセス・モデリング)を買収。
● 2011年7月 OpenText(ドキュメンテーション/BPMS)がGlobal360(BPMS)を買収。
● 2011年2月 OpenText(ドキュメンテーション)がMetastorm(ワークフロー)を買収。
同時に、さまざまのBPMSベンダーがBPMS製品の発売を発表した。BPMSソフトウエア・ツールあるいはプラットフォームはさらに複雑さを増し、IBM、SoftwareAGといったベンダーが提示する精巧なツールには、さまざまの異なるテクノロジーが組み込まれている。他の一般ベンダーは、まだそれらのテクノロジーを統合するために格闘中である。

プロセスの分析と設計を職務とするグループは、プロセス自動化を職務とするグループとは異なる。これは、我々が2011年のBPトレンズ・プロセス・モデリング調査で得た重要な認識の1つであった。
これは、現在のものとは異なる、ある種のソフトエア・ツールが必要であることを示唆している。それには、プロセスのビジネスに関わる側面を重視するビジネス・ユーザーをサポートするツールと、新プロセス設計の具体的要素の自動化に重点を置くソフトウエア開発者をサポートするツールがある。 これは市場の変化を表すものであり、より使いやすいツールを提供する新しいベンダーの参入を促す大きな要因のひとつである。一方、既存の主要ソフトウエア・ベンダーは、さまざまのツールを取得し、ソフトウエア開発者を標的にする、より複雑なツールに集中する傾向を強めている。

BPMへの国際的な関心の高まり

日本はまったく「蚊帳の外」。

数年前は、プロセスに関連するカンファレンスの主眼はBPMとBPMSに置かれていた。それが2011年の主要BPM関連カンファレンスでは、大きな変化が見られた。例えば、6月に行われたIRMUKロンドン・カンファレンスのテーマは、BPMとエンタプライズ・アーキテクチャの組み合わせであった。また、フォート・ローダーデールで行われたビジネス・ケイパビリティ構築カンファレンスのそれは、ビジネス・アナリシスとビジネス・ルールとビジネス・プロセス・チェンジの組み合わせであった。
同時に、大学の学科としてのBPMが成長し続けており、数年前には見られなかった研究基盤とBPMプロフェッショナルの供給源を提供する場となっている。国際BPMカンファレンスは学界BPM研究者の主要な会合であるが、今年はヨーロッパ(9月、エストニアのタリンで)、さらに2013年には中国・北京で開催される予定だ。これは、BPMが国際的関心の対象になったことを示している。

2005年にBPトレンズが行った第1回BPM市場調査では、北米とヨーロッパ以外の地域の回答者数は25%以下であった。2011年のBPMモデリング調査では、それが33%を超えた。著しい増加を見せた地域は、オーストラリア、南米、および中東であった。2013年までには、その比率がさらに上昇し、インドや中国からもかなりの回答を得るようになることが、十分に予測される。
営利組織はもちろん、非営利組織および行政機関をも含む世界中のあらゆる組織が、プロセス改善活動を整備するための手段として、BPMに着目している。そして、それらの改善が垂直的にも水平的にも組織全体で実施かつマネージされ、なるべく早期に完了されることを、グローバル競争が求めていることを認識している。
BPM活動が2012年に劇的な成長を見せる、などと言おうとしているのではない。国や産業によっては、そのような現象が見られるであろう。しかし、すばらしい年になると確信的に予測するには、世界経済は依然として脆弱すぎる。しかし、少なくとも良い年にはなるであろう。
諸組織の関心はさらに高まり、プロセス改革推進者は、幅広く受け入れられる、より総合的なアプローチを開発するであろう。BPMに携わる人たちは、これまでには見られなかった成功を手にする。
そして、その勢いが増すにつれ、さまざまの異なる視点を持つ、より多くの人たちが集まり協働する動きが広がるであろう。プロセスを、業務を整備するためのより効率的かつ効果的な方法とする…BPMを、そのように用いる組織を支援するために。

Bruce Silver氏のBPMN 2.0ブック第2版が日本でも入手可能に!

2011年11月17日 3件のコメント

Bruce Silver氏の”BPMN Method and Style”第2版が本年11月1日に米国で一般販売が開始され、日本でも次のページから購入できる。

http://www.amazon.co.jp/Bpmn-Method-Style-Implementers-Guide/dp/0982368119/ref=sr_1_2?ie=UTF8&qid=1321484967&sr=8-2

以下に著者であるBrice Silver氏のメッセージを紹介する。

第2版について

初版はBPMN 2.0のベータ仕様を基に2009年6月に出版しました。新版は2010年8月に最終仕様となり、2011年1月にOMGによって公式採択された仕様に基づくものです。ベータ版と最終仕様版では図形表記は変わりませんが、メタモデル、XMLスキーマおよび仕様の”活用規則”に重要な変更点があり、新版はこれらを反映させています。

第1部の前半は、プロセス・モデラー(ビジネス・プロセス・アナリスト、ビジネス・アーキテクト、BPMプロジェクト・メンバーおよび開発者)を読者の中心に想定し、図形表記に焦点を当て、曖昧さがなく、完全で、一貫性のあるプロセス・ロジックをプロセス図に記述する原則(”Method and Style”)を解説しています。そして、2年間にわたる”BPMN Method and Style”の教育トレーニングの経験を反映し初版を全面的に書き直しています。

新版は、BPMフレームワークと同じ側面のエンタープライズ・アーキテクチャで同じように使われている例えば、“アクティビティ”と“プロセス” などの用語がBPMNのコンセプトでは、それぞれどのような対応関係になるかを解説しています。新版はBPMNツールでのモデルを検証する一連の規則を”ベストプラクティス”として解説した初版のBPMNスタイルを受け継いでおり、初版の3レベル・モデリング・アプローチを引き続き採用して、レベル1の伝統的なフローチャーティング技法でビジネス担当者が慣れ親しんている図形や記号による可視化基本作業、レベル2のイベント駆動の振る舞いをサポートする拡張セットに若干触れ、BPMN 2.0最終仕様の記述モデル(レベル1)と分析モデル(レベル2)のプロセスモデリング適合サブクラスに一致させるわずかなレベル調整事項を解説します。(なお、”Method and Style”で論議していたいくつかの側面は、結局BPMN 2.0の最終仕様で採用されました!)初版を購入された方でも、”Method and Style”セクションだけでも目新しい材料が十分にあり、新版を手にする価値があると思います。

第1部の後半は、BPMN実装者向けのガイドで新しいものです。主に開発者やツールベンダーを読者の中心に想定していますが、アナリストやアーキテクトにもメリットがあるでしょう。BPMN 2.0のメタモデルとXMLシリアライゼーション(異種ツール間のモデル交換のこと)を解説しています。最近登場した、いわゆるBPMN 2.0ベースのBPMSツールに関する私の考察は、いくつかのBPMNツールを理解するうえで役立つでしょう。BPMN実装者ガイドの最初の部分は、分析サブクラス(レベル2のパターン)の図形要素のみを使う非実行可能なモデルに焦点を当て、様々なXMLの要素と属性の意味と使用法について説明しています。異種ツール間のモデル交換を自動化するために重要なBPMN-Diagram Interchange(モデル交換)の概略、特にBPMNモデルが持つユニークなXML表現力および、それによってモデル交換を確実する一連の制約事項について説明しています。

第2部では、実行可能なBPMN 2.0モデル、データのマッピングと変換、サービスタスクやヒューマンタスクの割当てとその詳細について議論します。BPMN 2.0の要求仕様モデルと実際のBPM Suiteで実行可能なモデルを設計する関係を”Bonita Open Solution”のBPMツールの使用サンプルで例示を交えて説明します。最後は、”Method and Style”の使って実行可能なBPMN 2.0プロセス・モデルをBPMSに移植する実装者へのアドバイスで、この本を結んでいます。BPMN実装者ガイドは、あたかも分離した本のように見えますが、アイデアの多くは、”Method and Style”からの自然な流れであるため、それらを1冊の本にまとめることにしました。

この本は私のBPMNトレーニングの有益な参考書ですが、実際のトレーニングで”BPMN Method and Style”を実践的に学習することを推奨します。

Bruce Silver

岩田よりメッセージの補足

第2版は副題に”Implementer’s Guide”とあるように、第2版はプロセスモデル設計者向けである第1版をBPMN 2.0ベースにリニューアルし、さらにプロセスモデル実装者向けた実行可能モデルのモデリングガイドを追加したものである。本書により下図に示すプロセス設計者からプロセス実装者に至るBPMNのモデリングステップが一貫して理解できるだろう。下図のステップ分類は、BPMNの利用をガイドするフレームワークでBrice Silver氏が以前からOMGに提案していたもので、BPMN 2.0仕様書の冒頭にBPMN 2.0適合基準(Conformance)として採用され、ビジネスプロセスモデリング・ツールの用途別適合基準を規定している。

なお、レベル1およびレベル2の業務プロセス可視化/分析フェーズ(As-Is, To-Be)では、BPMN 1.xに準拠するビジネスプロセスモデリング・ツールで必要十分だ。但し、BPMツールで提供されているプロセス・デザイナは実行可能モデルの設計に焦点を当てており、分析時に重要な外部プロセスとのメッセージ交換や関連する入出力データが表記できないものが多く、レベル1およびレベル2の適用にはお薦めしない。

BPMNモデリングステップ

経産省がBPMNを採用した業務モデリングの調査研究を始めるらしい

2011年11月10日 コメントする

インターネット・サーチしていたら本年11月1日付で商務情報政策局情報政策課から

平成23年度「電子経済産業省推進費(業務最適化のための業務モデリングに関する調査研究)」に係る委託先の公募について

の公募情報を発見したので紹介したい。

公募要領の内容からこの調査研究目的を推察すると、今から8年前の平成15年に公表された「EA策定ガイドラインVer.1.1」で策定した政策・業務体系の業務プロセス可視化方法論に世界各国で標準になりつつある新しい業務モデリング手法であるBPMNを組み込むための検証を行うようだ。

EA策定ガイドラインの基準でこれまでに作成済みのDFD(データフローダイアグラム)および業務流れ図(Work Flow Architecture)は、かなり膨大にようだ。今回の調査研究では、これらの既存資料をBPMNプロセス図に書き改める工程を実験的に試行し、変換に伴う所要時間と工数の見積、課題抽出を行う。特に目を引く試みは、プロセス・シミュレーション(時間分析とコスト分析)の効果検証、およびBPMのプラットフォームを使用してサンプルデータを画面に入出力しながら入出力データを検証するウォークスルーの試行も盛り込まれている点である。

また、BPMNによるプロセス設計だけでなく、後工程でBPMのようなプラットフォームへ設計したプロセスを実装する場合の開発工程の区切り方、仕様への記載手法についても課題を整理するとしている。

この調査研究期間は、本年12月~来年3月としており、大きな成果が生まれることを期待したい。

業務プロセス標準表記BPMNを「武器」にITの投資の半減は可能か?

2011年11月8日 1件のコメント

先日、GoodEggしくみや、代表の山原雅人さんとお会いする機会があり、以下のセミナータイトルについて、ディスカッションした。
話題は、「IT投資が半減する」というキーワードだ。

IT投資半減を実現したプロセス改革実践事例
~業務プロセスの標準表記を「武器」にする!~
2011年11月29日(火)14時00分~17時00分(3時間)

山原さんとの一問一答:

Q1: 山原さん、「IT投資が半減する」と言い切ってしまっていいんですか?

A1:はい、自分自身で実践してみて確信を持っています。

Q2:具体的には?

A2:ビジネスプロセスで定義した要件以外のことは、SIerさんに要求しないことです。SIerさんは、「この要件だけでは、動かないでしょう。」と言って、あれやこれやと追加機能含めて提案してきました。当然、見積価格も膨らむ一方です。
しかし、私はこのプロセスは現場業務担当者と仕事の手順、段取りを一緒に考え、合意をとったものなので、「もし、プロセス要件に変更があれば、チェンジオーダー分をちゃんとお支払いします」と言って、プロセスに定義されたこと以外はやる必要はないと突っぱねました。

Q3: その結果は?

A3: チェンジオーダーは発生せず、SIerさんの当初の提案価格の半分にIT投資を抑えることができたのです。現場のユーザーとビジネスプロセスを一緒に考えることは苦労が伴いましたが、要件をしっかり固めてことがコスト低減のカナメと確信した次第です。

Q4: セミナーで伝えたいことは?

A4: 私の実践経験から情報システム部門の方々に現場業務担当者を巻き込むビジネスプロセス・モデリングのコツをお伝えしたいのです。

 

※詳細を知りたい方、疑問に思われる方は、是非セミナーにご参加ください。但しユーザー企業の情報システム部門の方々を対象にしています。

 

感想:

IT業界はそもそも、業務設計図なしにアプリケーション開発の請負契約が成立している未成熟でリスクの大きい産業である。山原さんの提言は、この問題を委託側の情報システム部門と受託側のSIerの両面から指摘している。これまでアプリケーション開発プロジェクトは、そもそもシステム要件の揺れがある前提でプロジェクト・マネージメントで問題を回避しようとしていた。プロジェクト・マネージメントは問題の是正(過度の残業、契約範囲の見直しと交渉)をリアクティブに図ることが主眼で(コスト・オーバーの抑制効果はあるが)根本的なコスト低減には貢献しない。システム要件のベースとなる業務設計図の開発に力を注ぐことは、プロアクティブな事前問題解消法であり、プロセス指向開発が「IT投資が半減する」と表現してもおかしくない。

BPM技術の効果的学習法のすすめ

2011年10月29日 コメントする

日本BPM協会でBPM入門セミナーの講師をしている私が最近感じることは、セミナー参加者が最近はベンダーやSIer層からユーザー企業のIT部門層に変わってきていることです。しかも、参加動機が「お勉強モード」から「実践モード」に移りつつあるように感じられます。

そこで、お金をかけないでSOA/BPM技術のイロハを自己学習する方法を紹介します。現在のところ、ツールは次の理由からOracle BPMS 11gを使って体験学習するのが最適かと考えています。

  1. OTN(Oracel Technology Network)の無償ダウンロードを使って期限なしで開発体験ができる
  2. 技術情報が豊富に公開されている(と言っても英語ですが…)
  3. 他のベンダー製品に比べてBPMN 2.0のサポートが強力

1については、オラクル社の製品戦略の特徴で、煩わしい営業を介さずにネットワーク経由で製品評価や技術研鑽ができる点にあります。OTN Discussion Forumのコミュニティも自由・活発で開発者相互間で助け合いながら技術情報の交換が行われています。2は、小規模の技術コンサルティング会社や個人がブログを通じて活用技法を発信し始めていることやハウツウ本が流通しており、マニュアルで理解できないTipsが入手できることです。3は、BPMN 2.0の期待効果を実装面から考察できます。

とは言え、10~20万円の自己投資と英語資料を読み漁る努力が必要です。苦労を伴いますが、挑戦してみることでSOA/BPMによる新しいテクノロジーの本質を理解でき、新しい目が開けると思います。

日本では日本語に翻訳された技術でないと伝搬しないきらいがあり、この点では情報技術後進国と言えます。是非この学習法に挑戦し欧米に負けない真のBPMエンジニアが台頭してほしいものです。

用意するハードウエア

開発および実行検証に必要なBPM Suite一式をスタンドアロンで仕立てるには、Window7、64ビットOS、8GBメモリーのPCを用意する必要があります。

SOA/BPMのサーバーはローカルホストで稼働させます。サーバーにはシングル・ユーザーしかアクセスできませんが、開発および実行検証には差し支えありません。

OTN(Oracel Technology Network)からの製品ダウンロードとインストール

インストールはかなり難解で、試行錯誤を覚悟しておく必要があります。

流通しているOracle BPM Suite 11g関連書籍

オラクル社が提供しているドキュメント量は膨大です。膨大であるが故に学習教材には不適当です。以下の2冊を購入することをお勧めします。

  • Getting Start with Oracle BPM Suite 11gR1, A Hands-On Tutrial(アマゾンで4千円~5千円)

営業の見積承認プロセス(SalesQuoteDemo)を題材にかなり丁寧に開発の仕方を解説しているチュートリアル本。このチュートリアルを通じでBPM技術の基本をマスターできる良書と言えます。だたし、パッチリリースが年2回程度あり製品改良スピードが速いので解説と製品機能が乖離し始めています。

  • Oracle Business Process Management Suite 11g Handbook(アマゾンで4千円~5千円)

本年10月に出版されたばかりの技術解説書。特にBPMN 2.0のプロセスモデリングと実装設計に焦点を当てています。

Oracle BPM Suite 11g関連プログ

現在、技術情報を発信している有効なブログページは、次のとおりです。

11月のBPM実践ワークショップ3セッション

2011年10月27日 コメントする

11月には日本BPM協会主催のBPM実践ワークショップが連続して3セッション行われます。

http://www.bpm-j.org/news/release/#000737

この中で、GoodEggしくみや代表、山原雅人氏の講演

IT投資半減を実現したプロセス改革実践事例
~業務プロセスの標準表記を「武器」にする!~
2011年11月29日(火)14時00分~17時00分(3時間)

は、BPMNの活用実践事例として興味深い内容で、BPMN実践者の生の声を聞くには良い機会です。

情報システム部門の再生・改革を企画している方々にお薦めします。

カテゴリー:イベントセミナー, BPM, BPMN

BPMN 2.0 オンデマンド・モデリング・サービスを展開するドイツのSIGNAVIO

2011年2月12日 コメントする

今回はドイツ、ベルリンに本拠地を置きSaaS型ビジネス・プロセス・モデリング・サービスを展開している異色企業、Signavio(http://www.signavio.com/en.html)を紹介したい。

同社は2009年に本事業に着手し、昨年からBPMN 2.0のモデリング商用サービスを開始しているベンチャー企業である。サービスの特徴は、月あたり約3千4百円(最低)の利用料でBPMN 2.0標準に完全に準拠したモデリング作業環境を提供していることだ。OMGが本年1月に公式リリースしたBPMN 2.0仕様をブラウザベースのグラフィカル・ユーザーインターフェイスの上に見事に実装しており、プロセス図のほか、コレオグラフィ図やカンバセーション図などの新しいダイアグラム機能、そして、XPDLやBPMN DI(Diagram Interchange)仕様によるプロセスモデル交換機能など、最新の標準技術をサポートしている。クラウドベースであるため、地理的制約がない協働作業環境下でビジネスプロセスを開発・管理できる。また、バリューチェイン・ダイアグラムを使ってBPMNプロセス図の上位階層を体系化できるエンタープライズ・レベルのプロセス管理機能も備えているもの大きな特徴だ。ユーザーインターフェイスはAjaxを採用しており、Windows系のクライアントツールと引けを取らない操作性を実現している。

ドイツ企業であるが故に、ARISユーザーの獲得も怠らないようだ。

図1. SIGNAVIOの機能構成

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製品構成と価格

SaaS版 

Team Edition: 1アカウント月間利用料 29.95€(約3,400円)~

Premium Edition: 1アカウント月間利用料 74.95€(約8,500円)~

エンタープライズ・レベルのプロセス管理機能やWikiを使ったモデリング協働作業には、このEditionが必要。

On-Premise Installation版

価格は未公開(ご相談次第というところか?)

トライアル

  • Premium Editionの機能を30日間無償で利用できる
  • アカウントをWeb申請して5分後には即利用可能
  • チュートリアル、オンラインデモが充実している
  • モデリングの協働作業環境を体験できるようトラアル申請者のほか、5名の仲間のメールアドレスを登録してトライアルに招待できる
  • ブラウザは、Google Chromeを使う(IEは動作しない)
  • 日本語利用可能。だたしPDFへの出力では文字化けする

次の方々にトライアルをお薦めしたい。

  • 地理的制約がない協働作業環境下でビジネスプロセスを開発・管理したいと考えている方

(特にビジネスプロセスのグローバル展開・統治を考えている多国籍企業、 ユーザー企業、外部コンサルタント、BPM開発支援企業のなどの協働BPM開発プロジェクト)

  • コレオグラフィ図やカンバセーション図などのBPMN 2.0の新しいダイアグラム機能を体験してみたい方
  • BPMNプロセス図の上位階層プロセスの体系化とプロセス管理に興味ある方
  • ビジネスプロセス設計のSaaS事業モデルを考えている方

 

このサービスは高いか安いか?

数枚、数十枚のプロセス図をモデリングするレベルの利用者は、このサービスは高いと言うでしょう。

プロセス図は枚数が多くなるにつれ、開発・管理は幾何級数的に複雑になってきます。

数百、数千、数万のプロセス図を開発・管理する必要が生じた場合、利用者はこのサービスは安いと言うでしょう。

Oracle BPMのBPMN 2.0プロセスモデル交換の実力

2011年2月3日 2件のコメント

本年1月に公開されたOracle BPM 11gR1 SP3をインストールし、 BPMN 2.0プロセスモデルの交換能力を検証してみた。

プロセス・モデル交換の標準化の動き

異なるBPM製品間のプロセスモデル交換は、「モデリング・ツールやビジネス・プロセス・ランタイム・エンジンの選択が制限される」という問題を改善すべく、上流のプロセス・アナリストから強く求められていた。

これまでは、国際標準化団体のWfMC(Workflow Management Coalition)が開発したXPDL(XML Process Definition Language)が、唯一のプロセス・モデル交換形式だったが、XPDLは、BPMNだけでなく、そのほかのモデルも対象にするため、形式も複雑で、サポートするツールも限られていた。BPMN 2.0では、プロセス・モデルの交換仕様として、BPMN DI(Diagram Interchange)仕様を定めた。このモデル交換形式は、BPMNメタモデルをベースにしたXMLファイルを採用しており、BPMN 2.0をサポートするツール間で使うことが前提である。

本年1月にOMGのWebサイトでやっとこの交換仕様を含むBPMN 2.0仕様が公式リリース(仕様書の参照先はここ)された。水面下では同モデル交換仕様の製品実装が各ベンダーで既に始まっており、年内には実証製品が登場すると思われる。

Oracleのプロセス・モデル交換ソリューション

Oracle社はOMGのBPMN DI仕様のサポートに先立ち、”Oracle Business Process Converter(OBPC)”というBPMN 2.0プロセスモデル交換機能をSP3リリースで公開した。同OBPCは、現在のところVisio、およびXPDLのXMLファイルに出力したプロセスモデルをOracle BPMおよびOracle BPA(Business Process Architect)にインポートできるようだ。

OTN – Oracle Business Process Converterのダウンロードサイトから入手した資料によれば、図1の赤い矢線で示す5方向のモデル交換可能になっている。

図1. OBPCがサポートするモデル・インポート/エクスポート機能構成

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図1の上位にあるOracle BPAは、Oracle BPMが取り扱うプロセス・フローの上位階層にあたるエンタープライズ・レベルのプロセス・モデル開発と管理をサポートする。同製品は元々ARISのOEM製品であったが、最近ではEPCダイアグラムのほかBPMN 2.0のプロセス・フロー図もサポートしている。

中段にある”Tutor Author 14”は、ユニークなBPMN文書化機能で、BPMNに表記したプロセス定義をMicrosoft Wordに変換し、BPMNが読めないビジネス担当者でも文書形式でレビューできる。文末の図6にそのアウトプット例を示す。

Visioは、通常のvsd拡張子ファイルではなく、vsx拡張子(XML図面)ファイルでアウトプットしておく必要がある。

XPDLは現在、次のBPM製品のマッピングが事前設定されている。

• Provision
• Bizagi
• Tibco

ためしてガッテン

私が愛用しているProcess Modeler for Microsoft Visioでモデリングした図2のBPMNプロセス図をもとに図1の①と②を変換パスを試してみた。

図2. Visioで作成したBPMNプロセス図

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図3は、インポート完了後に表示されたOracle BPM側のBPMNプロセス図である。元図作成に使用したProcess Modeler for Microsoft VisioのBPMN要素ステンシルは、このConverterに事前設定されているようで、図形要素のマッピングを行わなくても変換可能だった。Converterのリリースは初版であったため、パラレル・ゲートウェイの変換に一部問題が存在していた(これは開発元にレポートする予定)。各図形要素を元図と同じ位置に配置してくれるので再配置の手間がなく非常に助かる。

図3. Oracle BPM Studioにインポートされたプロセスモデル

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元図ではせっかく、ヒューマンタスク、ビジネスルールタスク、サービスタスクなど各タスクのタイプを設定していたのだが、インポート時にその情報が失われたのは残念。

Oracle BPM側で図4のようにタスクタイプを再割当てし、シーケンスフローの経路を再配置した結果が図5である。

図4. タスクタイプの割当て

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インポートを開始してからおおよそ5分で図5が完成した。元図よりカラフルで美しいかも知れない。

図5. 編集を完了したプロセス図

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図5の完成後、”Export to Oracle Tutor”を実行すると図6のMS Word文書が得られた。

この文書には、作業の分担、役割ごとのやるべき作業、作業の着手順番と実行条件などが記述されている。今リリースは日本語版でないためシステムメッセージは英語になっている。

図6. Tutor Author 14のアウトプット

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考察

以上の検証から、Oracle BPMのBPMN 2.0プロセスモデル交換は、実用レベルに達していると私なりに評価した。今後、BPMN DI(Diagram Interchange)仕様のプロセスモデル交換もサポートされれば、片方向(サードパーティ→Oracle製品)だけでなく、双方向の交換も可能と思われ製品の進化を期待したい。


InfoQの「BPMはソフトウエア工学ではない」に同感!

2011年2月1日 3件のコメント

InfoQ日本語サイトの1月記事 「BPMはソフトウエア工学ではない」が面白いので紹介したい。

同記事は、Keith Swenson氏がBPM.comの新しい記事(BPM is NOT Software Engineering )で述べている内容を日本語訳で紹介している。

読むポイント:

1. BPMは、「アプリケーションを設計、開発する新技法、方法論」と勘違いしてるソフトウエアエンジニア

2. UMLとBPMNの無駄な比較論争

UML:ソフトウエア工学

BPMN:ビジネス工学(Business Technology)

Oracle BPM Suite 11g パッチリリースが半年ぶりに公開された

2011年1月27日 1件のコメント

2011年1月14日、Oracle BPM Suite 11g パッチリリース(11.1.1.4)が公開された。昨年6月に公開された11gの初版(11.1.1.3)から半年ぶりの改訂版リリースである。

今回の改善では、下図のようにVisioおよびXPDL 2.0で作成したプロセス図をBPMN 2.0形式に変換してインポートできる機能も追加されている。

また、イマイチであったフォーム生成機能が改善され、フォーム生成用のテンプレートをユーザーが事前に作成できるようになっている。

ダウンロードが必要なソフトウエア/プロダクトは次のとおり。

1. Oracle WebLogic Server + Coherence – Package Installer 10.3.4 Size: 796 MB

2. Repository Creation Utility 11.1.1.4.0 Size: 308 MB

3. JDeveloper 11.1.1.4.0 Size: 1.24 GB

4. SOA Extension for JDeveloper 11.1.1.4.0 Size: ~200 MB

5. BPM Extension for JDeveloper 11.1.1.4.0 Size: ~55 MB

6. SOA Suite 11.1.1.4.0 Size: 3.5GB

7. Tutor Business Process Converter Size: 15MB

詳しくは、BPM Suite 11gR1 PS3 Releasedを参照されたし。

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