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#8216;ベンダー動向’ カテゴリーのアーカイブ

Oracle BPMのBPMN 2.0プロセスモデル交換の実力

2011年2月3日 2件のコメント

本年1月に公開されたOracle BPM 11gR1 SP3をインストールし、 BPMN 2.0プロセスモデルの交換能力を検証してみた。

プロセス・モデル交換の標準化の動き

異なるBPM製品間のプロセスモデル交換は、「モデリング・ツールやビジネス・プロセス・ランタイム・エンジンの選択が制限される」という問題を改善すべく、上流のプロセス・アナリストから強く求められていた。

これまでは、国際標準化団体のWfMC(Workflow Management Coalition)が開発したXPDL(XML Process Definition Language)が、唯一のプロセス・モデル交換形式だったが、XPDLは、BPMNだけでなく、そのほかのモデルも対象にするため、形式も複雑で、サポートするツールも限られていた。BPMN 2.0では、プロセス・モデルの交換仕様として、BPMN DI(Diagram Interchange)仕様を定めた。このモデル交換形式は、BPMNメタモデルをベースにしたXMLファイルを採用しており、BPMN 2.0をサポートするツール間で使うことが前提である。

本年1月にOMGのWebサイトでやっとこの交換仕様を含むBPMN 2.0仕様が公式リリース(仕様書の参照先はここ)された。水面下では同モデル交換仕様の製品実装が各ベンダーで既に始まっており、年内には実証製品が登場すると思われる。

Oracleのプロセス・モデル交換ソリューション

Oracle社はOMGのBPMN DI仕様のサポートに先立ち、”Oracle Business Process Converter(OBPC)”というBPMN 2.0プロセスモデル交換機能をSP3リリースで公開した。同OBPCは、現在のところVisio、およびXPDLのXMLファイルに出力したプロセスモデルをOracle BPMおよびOracle BPA(Business Process Architect)にインポートできるようだ。

OTN – Oracle Business Process Converterのダウンロードサイトから入手した資料によれば、図1の赤い矢線で示す5方向のモデル交換可能になっている。

図1. OBPCがサポートするモデル・インポート/エクスポート機能構成

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図1の上位にあるOracle BPAは、Oracle BPMが取り扱うプロセス・フローの上位階層にあたるエンタープライズ・レベルのプロセス・モデル開発と管理をサポートする。同製品は元々ARISのOEM製品であったが、最近ではEPCダイアグラムのほかBPMN 2.0のプロセス・フロー図もサポートしている。

中段にある”Tutor Author 14”は、ユニークなBPMN文書化機能で、BPMNに表記したプロセス定義をMicrosoft Wordに変換し、BPMNが読めないビジネス担当者でも文書形式でレビューできる。文末の図6にそのアウトプット例を示す。

Visioは、通常のvsd拡張子ファイルではなく、vsx拡張子(XML図面)ファイルでアウトプットしておく必要がある。

XPDLは現在、次のBPM製品のマッピングが事前設定されている。

• Provision
• Bizagi
• Tibco

ためしてガッテン

私が愛用しているProcess Modeler for Microsoft Visioでモデリングした図2のBPMNプロセス図をもとに図1の①と②を変換パスを試してみた。

図2. Visioで作成したBPMNプロセス図

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図3は、インポート完了後に表示されたOracle BPM側のBPMNプロセス図である。元図作成に使用したProcess Modeler for Microsoft VisioのBPMN要素ステンシルは、このConverterに事前設定されているようで、図形要素のマッピングを行わなくても変換可能だった。Converterのリリースは初版であったため、パラレル・ゲートウェイの変換に一部問題が存在していた(これは開発元にレポートする予定)。各図形要素を元図と同じ位置に配置してくれるので再配置の手間がなく非常に助かる。

図3. Oracle BPM Studioにインポートされたプロセスモデル

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元図ではせっかく、ヒューマンタスク、ビジネスルールタスク、サービスタスクなど各タスクのタイプを設定していたのだが、インポート時にその情報が失われたのは残念。

Oracle BPM側で図4のようにタスクタイプを再割当てし、シーケンスフローの経路を再配置した結果が図5である。

図4. タスクタイプの割当て

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インポートを開始してからおおよそ5分で図5が完成した。元図よりカラフルで美しいかも知れない。

図5. 編集を完了したプロセス図

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図5の完成後、”Export to Oracle Tutor”を実行すると図6のMS Word文書が得られた。

この文書には、作業の分担、役割ごとのやるべき作業、作業の着手順番と実行条件などが記述されている。今リリースは日本語版でないためシステムメッセージは英語になっている。

図6. Tutor Author 14のアウトプット

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考察

以上の検証から、Oracle BPMのBPMN 2.0プロセスモデル交換は、実用レベルに達していると私なりに評価した。今後、BPMN DI(Diagram Interchange)仕様のプロセスモデル交換もサポートされれば、片方向(サードパーティ→Oracle製品)だけでなく、双方向の交換も可能と思われ製品の進化を期待したい。


日本BPM協会、「BPMフォーラム2011」を3月8日に開催

2011年2月3日 コメントする

日本BPM協会は昨年に引き続き、第6回 BPMフォーラム2011を開催します。

今年の企画は、国内のBPM、ビジネスプロセス改革実践企業の生の声が拝聴できるプログラム構成になっています。

有料ですが奮ってご参加ください。

プログラムの詳細は、こちらです。

Oracle BPM Suite 11g パッチリリースが半年ぶりに公開された

2011年1月27日 1件のコメント

2011年1月14日、Oracle BPM Suite 11g パッチリリース(11.1.1.4)が公開された。昨年6月に公開された11gの初版(11.1.1.3)から半年ぶりの改訂版リリースである。

今回の改善では、下図のようにVisioおよびXPDL 2.0で作成したプロセス図をBPMN 2.0形式に変換してインポートできる機能も追加されている。

また、イマイチであったフォーム生成機能が改善され、フォーム生成用のテンプレートをユーザーが事前に作成できるようになっている。

ダウンロードが必要なソフトウエア/プロダクトは次のとおり。

1. Oracle WebLogic Server + Coherence – Package Installer 10.3.4 Size: 796 MB

2. Repository Creation Utility 11.1.1.4.0 Size: 308 MB

3. JDeveloper 11.1.1.4.0 Size: 1.24 GB

4. SOA Extension for JDeveloper 11.1.1.4.0 Size: ~200 MB

5. BPM Extension for JDeveloper 11.1.1.4.0 Size: ~55 MB

6. SOA Suite 11.1.1.4.0 Size: 3.5GB

7. Tutor Business Process Converter Size: 15MB

詳しくは、BPM Suite 11gR1 PS3 Releasedを参照されたし。

日本オラクル、Oracle BPM Suite 11gを出荷開始

2010年8月19日 コメントする

やっと待望のOracle BPM Suite 11gが日本でも出荷開始になったようです。

ランチング・イベントとして 2010年9月16日(木)Oracle BPM Technology Day セミナーが開催されます。

私も招待講演者としてお話させて頂きます。

BPMの新しい動き、ケースマネージメントとは

2010年6月28日 コメントする

最近、BPM業界では急速に「ケースマネージメント」の適用技術が論じられるようになった。しかし、日本国内では未だ馴染みのない用語だ。そこでケースマネージメントの考え方、動向を紹介したい。

 

ケースマネージメントとは

ケース・マネージメントとは、特定事案(Case)に対する行動計画、適切な実行者のアサイン、行動記録、進捗管理など、一連の管理サイクルを現場レベルで行う概念で、定型ビジネス・プロセスの枠組みに非定型ビジネス・プロセスをサブセットとして連携させ弾力的に業務運用可能にする。図1の例ではケース・マネージメントは、「アドホック、混迷、無秩序な人的活動」のビジネスプロセスをサポートし、これまでのBPM管理概念の領域であった「構造化された人的活動」(ヒューマンセントリック・プロセス)および「システム中心プロセス」(システムセントリック or インテグレーションセントリック・プロセス)を補完する。

 

図1.ダイナミックBPMプラットフォームの台頭

3つの作業領域

現在、標準化が進んでいない中、次の15のBPMツールベンダーが何らかのケースマネージメント機能に取り組んでいる。

  • Singularity
  • Cordys
  • Global 360
  • Sword (旧Graham Technology)
  • Itensil
  • TIBCO
  • EMC Documentum
  • IBM (FileNet)
  • BizAgi
  • Pallas Athena
  • Pega
  • Polymita
  • HandySoft
  • Fujitsu Interstage
  • Oracle

 

定型ビジネスプロセスにダイナミック・プロセスを組み込む富士通製品

その一例として、富士通は図1の概念の一部を自社製品のInterstage BPMで昨年秋に実現している。Interstage BPM V11では、あらかじめ定義したワークフロー内のタスクを現場レベルでさらに詳細なタスクに動的に分割定義、改変でき(taskingという)、進捗管理も可能なダイナミックなBPM機能を備えた。この製品は、「定型プロセス→非定型プロセス→定型プロセスに戻る」といったシームレスなプロセス間連携を提供するのでビジネス・プロセス管理にプロジェクト管理機能を加えた新しい使い方が可能だ。

図2.富士通のダイナミックBPM

富士通のプロセスアウトライン

富士通のダイナミックプロセスの作成

 

ダイナミックプロセスのサポートで現場オペレーションはどう変わるか

ビジネスプロセスに素早い変化対応力が求めらた場合、プロセスモデリングに立ち戻り、分析→設計→実装→実行のパスを上流から段階的に進める方式では遅い場合がある。また、ナレッジワーカーの混沌とした事案対応手順をその都度現場レベルで定義し作業管理したい場合がある。

このようにプロセスを現場レベルでダイナミックに定義、ないし変更できるBPM技術は2点ある。1点目は、ビジネスルールエンジンの利用だ。何らかのビジネスルールが変化した場合、ルールベースに保存しているビジネスルールを即刻変更しビジネスプロセスのフロー制御条件を変える手だ。しかし、この方法はルールのパターンをワークフロー上にあらかじめ定義しておく必要があり、事前定義型プロセスモデリングアプローチだ。2点目は、ケースマネージメントの利用で、実行時にプロセスの実行手順(タスク)を事案ごとに定義することだ。これは事後定義型プロセスモデリングアプローチと言えるものだ。

図3は、双方ともBPMプロジェクトでプロセス再設計、実装、配備といった大がかりな手順を踏まなくても、現場主体で変化対応できる姿を表している。
ただし、現場のオペレーションでルールを定義したり、タスクを定義する作業が必要になり、業務現場の管理者、担当者に「変化対応マインド」がなければ、この技術は生かされないだろう。

 

図3.素早い変化対応力のある動的業務オペレーション環境

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当ブログで最近紹介したガートナー2010年以降5つのBPM予測の中で、ダイナミックBPM適用により現場業務がどう変わるか次のように予測している。

    • 2012年までに
      企業が直面する20%のプロセスは、BPM技術の支援を受けながら、ナレッジワーカー自身が彼らの要求と好みに応じジャストインタイムでそのプロセスを自己変更できるようになるだろう。
    • 2013年までに
      ダイナミック BPM の導入は、増大するカオス的業務プロセスに効率を求める企業の緊急命題になるだろう。
    • 2014年までに
      グローバル2000企業のビジネス管理者、ナレッジワーカーの40%が広範囲に可視化されたビジネスプロセスモデルを日々の作業で使うだろう。2009年は6%に過ぎなかった。

 

ダイナミック・プロセスのBPMN適用を模索するOMG

OMGは2009年9月にポストBPMN 2.0の主題としてCase Management Process Modeling(CMPM)の仕様提案(RFP)の募集を開始した。BPMN標準に非定型ビジネス・プロセスの可視性を追加する考えだ。このRFPの冒頭に仕様策定の狙いが次のように述べられている。

RFPの目的

本RFPは、ケースマネージメント・プロセスを支援するためのBPMN 2.0メタモデルの拡張提案を求めるものである。ケースマネージメントは、プロセスの実行毎にそれぞれ異なる特定の状況あるいは情勢(ケースという)とそのケースに対する要求成果を持ち、それぞれのケースは、要求成果を達成するサブジェクト(人、訴訟問題、保険請求など)とそれに関連し執行した行動を含む。

ケースマネージメント・プロセスは、デジタル化された知識ベースとして、過去のケースと行動履歴、および現在のケース状況を記録したケースファイルを持ち、そのファイルは複数の文書、あるいは補足的な参照情報の記録から構成される。ケースファイルは意思決定者に助言、気づき、制約、計画支援を提供し、意思決定者はそれをよりどころに、関連する事実を熟考し関連する行動を追跡することになる。

ケースマネージメント・プロセスの自動化は、

  • 過去のケース履歴から特定事案のベストプラクティスを学習可能にし、業務遂行者の問題解決能力を高める。
  • ケースマネージメント・プロセスの再利用とタイムリーな変更を可能にし、プロセスをより規範的で繰り返し可能な定型業務プロセスに発展させる。
  • 適切な記録が確実に維持される手段を提供する。
  • 適切な行動をよりタイムリーに発動できる。
  • アドホックな(一時しのぎの)プロセスの適切な個所に会社で定められた規則やポリシーを組み込むことを可能にする。
  • ケースマネージメント機能を含むビジネスプロセスモデルの交換を可能にする。

ベンダー製品の多くはそれぞれ独自の方法でこれらのニーズに取り組んでいる。しかし、各社固有のケースマネージメント機能が、標準不在のままBPMNプロセスモデルに取り込まれる限り、そのモデルはツール間で交換できず、ユーザーは複数のグラフィック・プレゼンテーションに向き合い、モデリングツールやビジネスプロセス・ランタイムエンジンの選択が制限されることになる。このRFPは、これらの相互運用性の課題解決を対象とすることにある。

この記述から、ケースマネージメントの基本概念は、「ナレッジワーカーの問題解決ケース(事例)を記録し、新たな問題解決に示唆を与え、より適切な行動に導くPDCAサイクルの実現」と定義できる。ケースマネージメントについては論議が始まったばかりで、未だ明確な定義は存在しない。今後はこの分野の標準化が進展することで合意形成が行われるだろう。

米国Oracle、次世代BPMをWebcastを通じて紹介

2010年6月18日 1件のコメント

昨日の6月17日にオラクル社の製品開発Senior Vice PresidentのHasan Rizvi氏が「Introducing Next Generation Business Process Management」と題してプレゼンテーションを行った。

Webcast URL: http://oracle.com.edgesuite.net/ivt/4000/8104/9236/13072/lobby_external_flash_480x272/default.htm

英語放送を聞くのは辛いが、Oracle BPM Suite 11gの全容を知るには有効。

興味深い点は、

①ナレッジワーカーに必要なunstructured process(事前定義できないプロセス)のサポート

②User-Centric Tool: ITを知らないビジネスアナリスト、業務担当者でも操作可能なツール設計

③Social BPM、Process Space:インターネット・コラボレーション環境

コンテツは45分間と長いが最初の20分の視聴でだいたいの製品機能、コンセプトが分かる。

カテゴリー:ベンダー動向, BPM, BPMN, SOA

Oracle BPM Suite 11gR1がAmazon EC2で利用可能に!

2010年6月17日 2件のコメント

Amazon EC2のパーソナルアカウント(クレジットカード精算)があれば、on Demandで最新版Oracle BPMが利用可能になった。

ただし、Amazon EC2のPaaS使用料は有償。

詳細は→ BPM 11gR1 now available on Amazon EC2 (Oracle BPM) を参照。

クラウドBPMサービスの潮流は思いのほか早く訪れている。ハード、ソフトの投資なしに個人のアイデアひとつでWeb2.0技術を取り入れた本格的業務システムが開発できる時代が到来し、IT事業者の旧来のビジネスモデルは崩壊するだろう。

カテゴリー:ベンダー動向, BPM, BPMN, SOA

やっと出た国産BPM on demand! クエステトラBPMS SaaS版

2010年6月16日 コメントする

本日、クエステトラからクラウドベースのBPMS新版の発売開始アナウンスがあった。

5ユーザまで無料で利用可能だそうで、スモールスタートでBPM概念を検証・導入検討する企業には朗報だ。

先週、日本BPM協会主催の「第1期SI事業者向けBPM実践ワークショップ 」でBPMの設計・開発・実行の基本的流れを理解するため、このクエステトラBPM Suite SaaS版を参加者20名の演習に使わせていただいた。ログイン・アカウントを頂いてからおおよそ3時間で演習用のビジネスプロセス図の作成、データ項目の定義、実行の検証、演習参加者のユーザー設定が完了し、on demandの素晴らしさを体感した。

クエステトラは、「人にやさしい」、「マニュアルはほとんど見なくていい」、「超簡単」など、国産ツールならではの使用感たっだ。軽量ツールではあるがBPM概念の基本をちゃんと押さえており、好印象だ。

クエステトラの利用価値のひとつに、「現場業務担当者を巻き込み、机上で設計したビジネスプロセスを現場業務の流れに沿って、各役割担当者が具体的なデータを操作して短時間でプロセス検証できる」点があげられる。つまり、プロセス設計案を実行可能なプロセスモデルとしてビジュアルにウォークスルーできるのだ。欧米のBPMプロジェクトではプロセスのシナリオ検証手段としてこのウォークスルー手法が使われている。

ビジネスプロセス図は作成できたとしても、実行(execution)までの道のりにはデータ項目定義、ユーザーインターフェイス設計など多くの詳細設計作業が控えている。しかし、クエステトラの仕様定義要素は極めてシンプルなので、ビジネスプロセス設計案が確定してさえいれば、下図のような少ないステップで詳細設計仕様が確定できる。

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ビジネスプロセスのプロトタイピング程度なら無償で行えるので、ユーザー企業、開発パートナー双方にとってかなり魅力的だ。

BPMのオープンソースプロバイダーからクラウドソリューションベンダーに変貌するIntalio

2010年6月14日 コメントする

Bruce Silverの2010年6月9日付BPMS Watch で、Intalio Launches Helium (インタリオが”へリューム”プロジェクトスタート)の記事があったので、さっそくサーチしてみた。

Intalioと言えば、BPMNのビジネスプロセス図からBPELを自動生成しプロセスを駆動する技術の先駆者、BPMN標準の開発発起人、オープンソースBPMSの草分けある。国内でも一部のBPEL好きのエンジニア層で人気があり、OEM契約しているベンダーもあるようだ。しかし、私はBPELで人間中心のヒューマンプロセスを駆動するのは制約が多く、彼らが製品をBPMSと呼ぶことは懐疑的だった。しかもオープンソースモデルで事業が成り立つワケがなく、このままでは必ず壁に突き当たると考えていた。

しかし、Intalioの2010年6月7日のニュースリリース、Intalio Announces First Integrated Stack for Private Cloud Computing によると、「on demand(パブリッククラウド)とon premise(プライベートクラウド)の双方をシングル・プラット・フォームアーキテクチャで!」をキャッチコピーに、これまでの事業モデルを大きく変え、BPMSのオープンソースプロバイダーからクラウドソリューションベンダーで変貌する構想のようだ。しかも、製品アーキテクチャは、これまでのBPELエンジンのほか、BPMN.2.0サポートのプロセス駆動エンジンを新たに搭載し、ビジネス・アクティビティ・モリタリング(BAM)、ビジネスルールエンジン、ヒューマンタスク・マネージャ(人の割当ルール管理)など、ヒューマンプロセスで必須な機能を追加し、充実させる計画だ(下図のLabsマークは開発中を示す)。

製品構成

SaaSはアプリケーション、PaaSは開発ツール、IaaSは運用管理用のインフラツールを示し、ランタイムとデザインタイムの両環境をクラウドベースで提供する。

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Bruce の話によれば、SaaS型BPM on-demand サービス料金は、シングルテナント利用の場合、5ユーザー以下なら無償、それを超えるユーザー数は 1ユーザ・1ヶ月あたり9ドル~99ドルだそうで、ソリューションプロバイダーには朗報だ。

Intalio|BPMのアーキテクチャ

業界でリードしているOracle BPM Suite 11gと同様にBPMN2.0エンジンとBPEL2.0エンジンのハイブリッド構成になっている。

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Native BPMN 2.0 Architecture

Intalio|BPM is architected from the ground up to take advantage of the BPMN 2.0 specification (Learn More). BPMN 2.0 is not only used for the modeling of business processes, but also for their execution, thereby eradicating the semantic gap that existed between BPMN and BPEL until now. For this purpose, Intalio|BPM is built around a next-generation process engine capable of executing BPMN 2.0 processes natively, without having to resort to any code translation.

BPMN2.0をサポートするモデリングツール

これまではBPEL駆動エンジンのため、スイムレーンをサポートできなかったが、BPMN駆動エンジンの追加によりサポートできるようになった。モデル表記はBPMN2.0準拠だ。

Intalio|BPM

機能

参照→ Features – Intalio

ロードマップ

今年の夏には次の機能を完成させ、来年春にはすべての構想を完成させる計画だ。

参照→ Roadmap – Intalio

考察

私は当ブログで、過去から一貫して「BPMSは、BPMN直接駆動型エンジンとBPEL駆動エンジンのハイブリッド型が主流になる」と述べてきた。これまでかたくなだった「BPEL信奉主義」をやめ、クラウド事業モデルに移行するIntalioの大英断は大歓迎である。

カテゴリー:ベンダー動向, BPM, BPMN

BPMN 2.0を忠実にサポートするOracle BPM Suite 11g

2010年5月18日 3件のコメント

今年の6月~7月にリリースされる予定のOracle BPM Suite 11gのテクニカル・ドキュメントがOracleのWebサイト Oracle Fusion Middleware Documentation Library に公開されていた。このページの中段にある「ORACLE BUSINESS PROCESS MANAGEMNET SUITE」には、インストールガイド、モデリングと実装ガイド、管理者ガイド、デプロイガイドなど、ひと通りのドキュメントが揃っており、製品の機能と特徴を知るうえで非常に参考になる。Oracleは製品のリリースに先立ってドキュメントを公開しており、ミドルウェア市場へのオラクルの積極性が感じられる。

そこで、このサイトのModeling and Implementation Guide を参考に「BPMNを使ってどこまで実行可能プロセスモデルを作成できるか?」探ってみた。特に Modeling Business Processes with Oracle BPM のページは「BPMNを使ったOracle BPMのビジネスプロセスモデリングの能力」を知るうえで豊富な情報が記載されている。

ドキュメントベースの個人的評価であるが、Oracle BPM Suite 11gは、BPMN 2.0に最も準拠した最先端のBPMスイートと言えるだろう。

特筆すべき点は、イベントタイプの豊富さだ。BPMN 2.0ではプロセスの開始イベント、中間イベント、終了イベントが強化されているがOracle BPM Suite 11gでもその最新仕様をサポートしており、BPELへの変換を必要とせず、BPMNからプロセスエンジンを直接駆動できる点で他のBPMSベンダー製品を圧倒している。

<特筆すべき一例>

1. タスクタイプ・アイコンのBPMN 2.0 準拠

BPMN 2.0でタスクタイプの標準アイコンが仕様に定義された。Oracle BPM Suite 11gでは、ほぼこの標準に準拠しビジネスプロセスを定義できるので視認性が良く、わかりやすい。

タスクタイプ・アイコン比較

2. シグナル開始イベントのサポート

BPMN 1.2 のシグナル開始イベントシグナル・イベント がサポートされている。このイベントで開始するプロセスは、他のプロセスやサービスから投げられたブロードキャスト信号(シグナル)をキャッチしたとき、自身のプロセスを開始する。このシグナルイベントを利用すれば、ある特定のプロセスからシグナルを投げ、他のプロセス(複数も可)を起動させたり、複数プロセスの連鎖的な実行が可能になる。

シグナル

6.2.4 Introduction to the Signal Start Event

The signal start event is similar to a message start event in that it is based on communication from another process or service. However, the message start event responds to a message sent to a specific process. In contrast, the signal start event is a response to a signal broadcast to multiple processes.

Signals can be broadcast from a BPMN process using the signal throw event. Using a combination of signal throw and signal start events, you can invoke multiple processes simultaneously.

The signal start and throw events are generally added to a process by process developers. For information on implementing the signal throw event, see “Introduction to Communicating Between Processes Using Signal Events” in the Oracle Fusion Middleware Modeling and Implementation Guide for Oracle Business Process Management.

 シグナル2

3. イベントベースゲートウェイのサポート

BPMN 1.2 のイベントベースゲートウェイイベント・ゲートウェイ がサポートされている。このゲートウェイは、複数の中間イベントを束ね、そのイベントの中で最も早く発生したイベントに制御を移すことができる。たとえば、下図の例では、「顧客に回答依頼のメッセージを送信後、1週間以内に回答が返信があれば、その回答を分析し、1週間経っても回答がなければ、再度顧客へ回答を督促する。回答待ちの間、他のプロセスからキャンセルのシグナルが発信されたら、即刻プロセスを終了する」といった複雑な条件を定義できるのである。BPELに変換すれば、このプロセスパターンは実装可能であるが、BPMN定義から直接、コードレスでプロセスに実装できるとは(未だ検証はしていないが)喜ばしい。

イベントベースゲートウェイ

6.7.6 Introduction to the Event Based Gateway

The even based gateway enables you to branch your process flow based on the possibility that an event may occur. In contexts, this may be one of several types of events. The event based gateway enables you to anticipate the possibility that several types of events may occur at a specific point in your process.

The event based gateway is different than other gateways in that decisions about process flow are based on an event rather than data-specific conditions.

The event based gateway is composed of the following:

  • The event based gateway
  • Two or more target events. These can be of the following types:
    • Message catch events
    • Signal catch events
    • Timer catch events
    • Receive tasks

4. 割り込み非中断イベント(Non-Interrrupting Event)のサポート

BPMN2.0では下図の赤枠で囲ったイベントが追加されているが、Oracle BPM Suite 11gではその一部をサポートしているようだ。
Figure 17-5には割り込み非中断(Non-Interrrupting)のタイマーイベントの例が説明されている。この例では、タイマーイベントが起動した場合、2つのルートが並行して実行される。このようなプロセスパターンは、BPMN. 1.2までは表記できなかったし、実装できるBPMSは存在しなかった。

No-Interrupting2

17.6 Running Additional Activities

While running an activity or a process you can run additional activities based on a time condition. You can choose to trigger the additional activities periodically or on a certain date.

Typically you run additional activities when the activity you are currently running takes a long time to finish. For example, if you run a service that takes twenty hours to update a database, then you might want to send an e-mail to inform progress of the update to the interested parties.

The timer event is only active while the token remains in the activity.

You can also run additional activities while a process is running. These activities run in parallel to the main process flow.

Figure 17-5 Running Additional Activities While an Activity is Running

No-Interrupting

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