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#8216;ベンダー動向’ カテゴリーのアーカイブ

BPTrends ポール・ハーモンによる「2012年のBPM」の分析

2012年2月9日 1件のコメント

米国のBPMコミュニティ誌、BPTrendsは、2012年1月10日付のEメール・アドバイザー第10巻1号でポール・ハーモン(Paul Harmon)とセリア・ウォルフ(Celia Wolf)の共著で“The Coming Year(「2012のBPM」の原文)”を配信した。

同記事の日本語訳を日本BPM協会の高木克文氏からご提供頂いたので、5つの論点に分割し紹介したい。

BPTrendsは、永年にわたりBPMの動向を調査・分析しており、同記事では過去1年のBPM市場の変化が簡潔にまとめられている。この変化傾向は、日本BPM協会メンバー間でも予見していた事項で、同レポートを読んで「やはり..海外でも..」といった感想である。

 

BPMは”IT活動”ではなく”ビジネス・マネジメント活動”との認識が広まった

「BPMは、BPR、リーン、シックス・シグマにとどまらず、ビジネス・ルール、ERP、およびITプロセス活動を融合しマネージするビジネス・マネジメント活動である」という認識。

2008年に始まったアメリカの経済危機が他の国に波及し、国や地域ごとにさまざまの結果をもたらした。オーストラリアを始めとするいくつかの地域は比較的影響を受けずに済んだが、ヨーロッパその他の地域では、相当な苦難を経験した。
アメリカは緩やかな回復過程にあると見られ、たいていの人が、2012年は2011年よりも良くなると期待している。確かに2011年は、2010年よりも良くなった。
ビジネス・プロセス市場の成長に関し、おおざっぱに言えば、プロセス志向を強調する企業が従来よりも多くなった。そして、その大半が、パフォマンス向上とコスト低減という目的の下に、プロセス改革の方法論とテクノロジーに注目している。
また、数年前にはかなり支配的位置を占めていたシックス・シグマの、リーンとBPMへの移行があった。
リーンへの傾倒は、リーンは比較的短期間内に効率向上の目標を達成するのに適したアプローチだという見方から生じた。
プロセスは組織の中央でマネージされるべきであり、パフォマンスを向上・維持するためには、プロセス改革のさまざまなアプローチの、より適切なコーディネーションとマネジメントを必要とする。BPM重視の背後には、このような見方がある。
BPMをひとつのIT活動としてとらえる向きがある。しかし、BPMはビジネス・マネジメント活動である、という認識がますます広まってきた。BPR、リーン、シックス・シグマにとどまらず、ビジネス・ルール、ERP、およびITプロセス活動を融合しマネージするビジネス・マネジメント活動である。

プロセス改革アプローチを強調するプロフェッショナルの堅実な需要

ビジネスへの成果に貢献できる人材への需要が高まる。

多くの企業では、コスト低減のために従業員のレイオフに踏み切った。
だが、個人プロフェッショナルに関して言えば、幅広い観点でプロセス改革にアプローチし、組織パフォマンスの向上を強調してきた人が、新しいポジションを見つけるのに困ることは、ほとんどなかったようだ。一方、比較的限定的な視野で、自分をシックス・シグマやビジネス・ルールやBPMSのスペシャリストとして考えてきた人は、自分の位置づけを変える上で、かなりの困難に直面してきた。
柔軟性が高く、総合的アプローチを強調し、個々のテクニックよりも成果を重視する人に対する需要が、ますます高まっているのだ。

プロセス・モデリングの企業内浸透と組織パフォマンス向上の多様なテクニック論

ユーザー企業が自らプロセス可視化を推進する趨勢。「BPMSソフトウエア・ツールの導入だけではBPMは推進できない」という認識の広がり。

2005年のBPトレンズ市場調査では、自社でプロセス・モデリングを行っているという回答は50%以下であった。それが2011年の調査では、75%を上回った。かなりの増加である。同時に、2011年調査では、75%をはるかに超える回答者がBPMNに高い関心を持っていると答えた。数多くの異なるプロセス・フロー表記法が存在した時代から、より良いプロセス・モデルの全社的共有を可能にするツールとテクニックの標準化に、各社がますます積極的に取り組む時代に移行したのだ。
それと似た動きが、他にもある。2~3年前の我々の調査では、多少あいまいな区分ではあるが、自らをプロセス改革推進者(プロセス・プラクティショナー)と自認するグループからの回答を多く得ることを意図した。今も彼らは存在する。しかし今日では、かなり多くの推進者が、自身をビジネス・アナリストあるいはビジネス・アーキテクトとして位置づけるようになった。
また、BPMを取り込み始めるリーン/シックス・シグマ推進者が増加する一方、ビジネス・ルール推進者もプロセス改革活動に積極的に参画するようになった。
突きつめて言えば、広範なプロセス・コミュニティ形成が、緩やかではあるが確実に進んでいる。特定のテクニックにこだわるのではなく、組織パフォマンスの向上に最適であれば、どのようなテクニックでも用いる指向の強いコミュニティである。
さらに、BPMをBPMSソフトウエア・ツールと同一視する人も依然として存在する。しかし、BPMはBPMSソフトウエア市場よりもはるかに広範な分野であるという認識は広がってきている。

BPMS市場の変化

まだまだ続く業界再編成。

BPMS市場における整理統合は、2011年にも継続した。少なくとも5件の大型買収が行われた。
● 2011年12月 Kofax(スキャナー技術)がSingularity(BPMS)を買収。
● 2011年12月 Progress Software(ソフトウエア・ツール)がCorticon(ビジネスルール)を買収。
● 2011年8月 TIBCO(BPMS)がNimbus(ビジネス・プロセス・モデリング)を買収。
● 2011年7月 OpenText(ドキュメンテーション/BPMS)がGlobal360(BPMS)を買収。
● 2011年2月 OpenText(ドキュメンテーション)がMetastorm(ワークフロー)を買収。
同時に、さまざまのBPMSベンダーがBPMS製品の発売を発表した。BPMSソフトウエア・ツールあるいはプラットフォームはさらに複雑さを増し、IBM、SoftwareAGといったベンダーが提示する精巧なツールには、さまざまの異なるテクノロジーが組み込まれている。他の一般ベンダーは、まだそれらのテクノロジーを統合するために格闘中である。

プロセスの分析と設計を職務とするグループは、プロセス自動化を職務とするグループとは異なる。これは、我々が2011年のBPトレンズ・プロセス・モデリング調査で得た重要な認識の1つであった。
これは、現在のものとは異なる、ある種のソフトエア・ツールが必要であることを示唆している。それには、プロセスのビジネスに関わる側面を重視するビジネス・ユーザーをサポートするツールと、新プロセス設計の具体的要素の自動化に重点を置くソフトウエア開発者をサポートするツールがある。 これは市場の変化を表すものであり、より使いやすいツールを提供する新しいベンダーの参入を促す大きな要因のひとつである。一方、既存の主要ソフトウエア・ベンダーは、さまざまのツールを取得し、ソフトウエア開発者を標的にする、より複雑なツールに集中する傾向を強めている。

BPMへの国際的な関心の高まり

日本はまったく「蚊帳の外」。

数年前は、プロセスに関連するカンファレンスの主眼はBPMとBPMSに置かれていた。それが2011年の主要BPM関連カンファレンスでは、大きな変化が見られた。例えば、6月に行われたIRMUKロンドン・カンファレンスのテーマは、BPMとエンタプライズ・アーキテクチャの組み合わせであった。また、フォート・ローダーデールで行われたビジネス・ケイパビリティ構築カンファレンスのそれは、ビジネス・アナリシスとビジネス・ルールとビジネス・プロセス・チェンジの組み合わせであった。
同時に、大学の学科としてのBPMが成長し続けており、数年前には見られなかった研究基盤とBPMプロフェッショナルの供給源を提供する場となっている。国際BPMカンファレンスは学界BPM研究者の主要な会合であるが、今年はヨーロッパ(9月、エストニアのタリンで)、さらに2013年には中国・北京で開催される予定だ。これは、BPMが国際的関心の対象になったことを示している。

2005年にBPトレンズが行った第1回BPM市場調査では、北米とヨーロッパ以外の地域の回答者数は25%以下であった。2011年のBPMモデリング調査では、それが33%を超えた。著しい増加を見せた地域は、オーストラリア、南米、および中東であった。2013年までには、その比率がさらに上昇し、インドや中国からもかなりの回答を得るようになることが、十分に予測される。
営利組織はもちろん、非営利組織および行政機関をも含む世界中のあらゆる組織が、プロセス改善活動を整備するための手段として、BPMに着目している。そして、それらの改善が垂直的にも水平的にも組織全体で実施かつマネージされ、なるべく早期に完了されることを、グローバル競争が求めていることを認識している。
BPM活動が2012年に劇的な成長を見せる、などと言おうとしているのではない。国や産業によっては、そのような現象が見られるであろう。しかし、すばらしい年になると確信的に予測するには、世界経済は依然として脆弱すぎる。しかし、少なくとも良い年にはなるであろう。
諸組織の関心はさらに高まり、プロセス改革推進者は、幅広く受け入れられる、より総合的なアプローチを開発するであろう。BPMに携わる人たちは、これまでには見られなかった成功を手にする。
そして、その勢いが増すにつれ、さまざまの異なる視点を持つ、より多くの人たちが集まり協働する動きが広がるであろう。プロセスを、業務を整備するためのより効率的かつ効果的な方法とする…BPMを、そのように用いる組織を支援するために。

日本BPM協会、3月6日にBPMフォーラム2012を開催

2012年2月6日 コメントする

日本BPM協会主催の「BPMフォーラム 2012」が本年3月6日に目黒雅叙園で開催される。ビジネス・プロセス・マネージメントに関する国内イベントが減少するなか、同イベントは7年目を迎えた。

第7回BPMフォーラム2012 開催プログラム( http://www.bpm-j.org/news/release/#000803

今回のフォーラム・プロクラムの内容をみると①発表者がプロセス改革実践事例を持つユーザー企業とBPMテクノロジーを提供する製品ベンダーに2局化し、その間をつなぐBPMソリューション・プロバイダーの姿がみられなくなった、②製品ベンダーでは、ビジネスルール・マネージメントの重要性を唱えるペガシステムとフェア・アイザックが新しい顔ぶれになっているなど、協賛企業がこれまでと変化している。

①については、SI事業者がこれまでのIT活動の延長線でBPMを語り、ユーザー企業のプロセス改革に踏み込めない現状では、この変化は当然の結果かも知れない。②については、ビジネスルール・マネージメントがビジネス・プロセス・マネージメント活動に融合される方向を示している。

米国プログレス・ソフトウェアがビジネスルール専門ベンダーCorticonを買収

2012年2月3日 コメントする

米国プログレス・ソフトウェアが”ビジネスルール・ベンダーのCorticonを買収”とのニュースリリースが2011年12月5日に発表された。これは、2010年1月に発表したBPMベンダーSavvionの買収に継ぐものである。これらの買収によってプログレス・ソフトウェアは、SOA、ヒューマンセントリックBPM、ビジネスルールの3つのテクノロジー分野をラインナップさせ、IBMやOracleなどのメジャーな「SOA/BPMソリューション」製品に対抗するようだ。

ビジネス・ルールのトップベンダーCorticon社を買収:
http://www.progress-japan.co.jp/news/2011/1205.html

 

2008年から今日までに、ILOGはIBMに、YASUはSAPに、HaleyはOracleに買収され自社SOA/BPM製品に組み込まれてきた。残るビジネスルール大手専門ベンダーは、フェア・アイザック1社のみになっている。

OSS市場でBPM Suiteを先導するBonita

2011年12月13日 コメントする

Bruce Silverの今日のメッセージによると彼はBonitaがお気に入りのようだ。

私も他のOSS、jBPM、Activitiと見比べてみて、Bonitaが”Java専門エンジニア”を必要としない点で同感。"democratizing BPM"(BPMの民主化)は”敷居を下げたBPM”の意味を込めているのだろう。面白いキーワードだ。

On Thursday December 15 I am doing a webcast on BPMN 2.0 and BonitaSoft, sponsored by BonitaSoft.  Learn more about BPMN2 and BonitaSoft open source BPM.  BonitaSoft is one of the very few BPM Suites today supporting the BPMN 2.0 standard for execution as well as descriptive modeling.  Unlike the other open source BPM Suites, you don’t have to be a professional Java developer to use Bonita’s tools.  Find out more about what "democratizing BPM" means.  The webcast runs from 10-11am Pacific time, or 1-2pm Eastern time.  Click here to register.

Bruce Silver

BPMN2.0をサポートしたオープンソース、Red Hat- jBPMとActiviti

2011年11月27日 コメントする

先般、本ブログでBonita Open Solutionを紹介したが、そのほかRed Hat- jBPMとActivitiの2つのOSSもBPMN 2.0をサポートし始めたので紹介したい。

 

Red Hat- jBPM

JBossの最新コミュニティ・エディションのjBPM5は、BPMN 2.0をサポートした。JBoss Communityの11月17日記事、Executable BPMN 2.0では、JBoss 5.0がBPMN 2.0をサポートしているほか、BPMN-DI(XML)フォーマットによるモデル・インポート/エクスポートもサポートしているとの解説があった。プロセス・モデリングツールは、ビジネス・ユーザー向けのWebベースのデザイナーと開発者向けのEclipsベースのデザイナーに2分し、それぞれの利用者が使いやすいモデリング環境を用意し、ビジネス・ユーザーの分析・設計・要求仕様モデルと実装モデルを双方向(round-trip)にモデルを交換できるという。

 

Activiti

ActivitiもjBPMと同様にBPMN 2.0とBPMN-DI(XML)をサポートし、プロセス・モデリングツールはビジネス・ユーザー向けのActiviti Modelerと開発者向けのActiviti Designer(Eclips plugin)に2分したモデリング環境を用意している。この考え方はjBPMとまったく同じと考えられる。

 

Bruce Silverのブログによれば、「BPMN 2.0の実行可能モデル表記開発者であるIBM, Oracle, and SAP よりBonitaSoft, Activiti, jBPMなどのオープンソース・ツールの方が標準の実装に積極的である」とコメントしており、JBossとActivitiの2社は、先般のブログ「BPMNのモデリング・ステップとBPMN 2.0適合基準」の最後で述べた”ビジネスプロセス・モデリングは利用者層の目的に応じツールは分けるべき”という鉄則を良く理解しており好感が持てる。

 

2社にOEMされたドイツSIGNAVIO

Activiti、jBPMの2社のビジネス・ユーザー向けビジネスプロセス・モデリングツールは、以前紹介したドイツSIGNAVIOOEM機能である。同社のソリューションの一部がオープンソースとして提供しているらしく、このOEMの背景には同社のビジネスプロセス・モデリング・クラウドサービスに何らかのビジネス的メリットがあるものと推測する。

 

BPMN 2.0仕様の製品実装ラッシュ

OMGのBPMN 2.0仕様採択が本年1月に完了してから未だ11ヶ月しか経過していないが、ここ最近、BPMN 2.0サポートの製品ラッシュが続いている。しかも、BPMツールは高価だという既成概念を打ち壊すOSS陣営の勢いは、歓迎すべき市場動向である。

IBMのBPMN 2.0サポート最新BPMソリューション

2011年11月25日 1件のコメント

IBMは、2009年12月にBPMベンダーの最大手であったLombardiの買収意向を表明した。それから1年、WebSphereとの製品統合が待たれていたが、BPMN 2.0をサポートするBPM(Business Process Manager) 7.5.1のリリースが間近なようだ。

現在、米国IBMはBPM製品の技術PRサイト、BPMwebDemos.comを立ち上げ、YouTubeによる製品デモとチュートリアル、並びに無償のオンライン体験学習を提供している。このサイトのYouTubeのコンテンツは圧巻で”BPMinAction”という投稿者名で17のデモとチュートリアルを公開している。

Lombardiの「Blueprint」(文書作成)および「Teamworks」(BPM実行エンジン)は既にIBMの「WebSphere」環境で動作していたため、買収後の製品移行は円滑に進むものと予想されていた。デモを見ると製品のルック&フィールは、過去のLombardiとほぼ同じであり、買収後は、下図右の実装設計側のProcess DesignerのBPMN 2.0サポートに力が注がれていたようだ。製品名称はBlueprint→BlueworksLive、Teamworks→Business Process Managerとなっている。また、ビジネスルール・エンジンには、2009年1月に買収したILOGが統合されている。

IBM BPM

Bruce Silver氏のBPMS Watchブログの11月15日の記事にも”IBM Delivers BPMN 2.0”のタイトルで紹介されていおり、BPMN 2.0のサポート範囲を考察している。詳しく分析していないが、Oracle BPM Suiteと比較するとOracleがシグナル・イベントを先んじてサポートしているほかは大差ない感じだ。

YouTubeのBPMinActionで”IBM BPM Overview and Demonstration”(14分のデモ)をご覧になれば、BlueworksLiveによるビジネスプロセスモデリング、Business Process ManagerのProcess Designerによるプロセス実装設計、およびプロセス実行後の最適化がどのようなものか理解できる。このほか、日本IBMでも”IBM Blueworks Live Japan”でBlueworksLiveのみ日本語で紹介している。

強力なProcess Optimizer

このIBM BPMツールで注目すべき機能は、プロセス実行結果をブロセス・フローと重ねたビューでプロセス管理者が最適化を検討できるユーザー・インターフェイスが提供されている点である。次の図をご覧頂きたい。

上図は、フローの経路別通過率(%)を表示している。これによってどの仕事の流れが一般的で、どの流れが例外的か判断できる。下図は、各タスクの平均待ち時間を表示している。これによって仕事の滞留を招いてる作業が判断できる。このように、モニタリングデータを統計グラフによらず、プロセス・フロー上に直接表示し、問題点を直視できる点が非常に優れている。これらはOracle BPM Suiteにはない機能だ。

IBM Path ModeIBM Wait Mode

IBMのBPMN 2.0サポート製品の登場によって、2012年は、いよいよBPMN 2.0ベースのBPM製品による市場競争が始まり、抜きつ抜かれつの”蛙飛びゲーム”になるようだ。来年はIBMが製品評価でBPMリーダの座を獲得するかも知れない。

フランスBonitaSoft社のイケてるBPMオープンソース事業を紹介

2011年11月14日 3件のコメント

フランスのBonitaSoft社は、“Bonita Open Solution”という名称でプロセス・モデリングツール、BPMN実行エンジン、ユーザーインターフェイス開発などのBPM Suite一式をオープンソース(GNU General Public License v2)で提供している。

創業者は、BPMが将来企業ITポートフォリオの主力になると確信し、2009年にBonita Projectを立ち上げ、ソリューション開発に着手した経緯がある。社名、ソリューション名の双方にスペイン語、ポルトガル語のBonita(ボニータ:かわいい娘)を使って覚えやすくしている。

“Bonita Open Solution”は、無償のOpen Source Editionと有償提供のSubscription Packsがあり、Subscription Pack Editionを購入すれば、テクニカルサポートや拡張ツールセットが提供されるビジネスモデルになっている。有償であれば、本格的なBPMアプリケーションも開発、実行できるようだ。Subscription Packsは、Teamwork, Effiency, Performanceの3つのEditionから構成されている(それぞれのEditionの機能範囲はここ)。ハイクラスのEditionではSalesForce.comやSAPとのコネクタを開発できるウィザードも用意されている。

InfoWorldは本年9月8日、優れたオープンソースを4カテゴリから選ぶオープンソース賞「Best of Open Source Software(Bossies)」受賞プロジェクトを発表した。その中で同製品は「アプリケーション」カテゴリのビジネスプロセス管理ソフトウエアで受賞している。(http://sourceforge.jp/magazine/11/09/08/0356201

ユーザー事例には、コニカミノルタのフランス支社(従業員約1000名、カラー印刷機、ヨーロッパ売上290億円)の営業プロセス適用事例が紹介されている。同社は、70名の社員が従事している契約管理(月間あたり2000件の新規契約または更新)に適用し、請求書のデータ入力から販売シュミレーション、製品仕様構成の分析に至る日常業務を最適化したという。その他、約30社のユーザー事例が紹介されており、部門レベルの業務最適化に多く利用されているようだ。

開発向けのUIは、英語、スペイン語、フランス語、ドイツ語、イタリア語、ポルトガル語、中国語に翻訳され、ユーザー向けのWebアプリケーションUIは、そのほか7ヶ国語が追加翻訳されている。この点、日本の立ち遅れが現れている。日本語翻訳のボランティアが現れてくれれば、日本国内中小企業にも廉価なBPMソリューションが提供できるだろう。

 

 

着目点

私が着目している機能は、BPMN 2.0の実行可能モデルを設計し、BPMN 2.0実行エンジンに実装できることだ。タイマーイベント、例外イベント、シグナルイベントなどを使ったイベント駆動プロセスを実行でき、先端を行くOracle BPMS 11gにも引けを取らず、もはやBPELは必要としていない。また、BPMN 2.0で新たに規定されたビジネスプロセス・モデル交換フォーマット(BPMN-DI: Diagram Interchange)を使ってサードパーティのBPMNモデリングツールとのモデル交換も実現している点だ。実際にBPMN 2.0をサポートしているビジネスプロセス・モデリング・ツールからBonita Studio 5.6へモデル移行を試みたが、何も手を加えることなく、オリジナル表現でプロセス図を移動できることを確認した。

 

使用感

ダウンロードしてWindows7で試してみたが、動作環境、サーバー設定の煩わしい作業は一切なく、ダウンロード後、添付のサンプル・アプリケーション・ソースを即、配備・実行できた。この快適な使用感には、すこぶる驚かされた。英語版での日本語処理は問題ないようだ。データを定義しながらSimple Web Forms Editorを使ってユーザーインターフェイス画面を生成できるので、上流で分析・設計したプロセスモデルをこのツールに移行し、サンプルデータを入出力しながらプロセスの流れを追ってデータの参照・確定手順をウオークスルーするプロトタイプ検証ツールには最適と考えている。この程度の利用なら無償でできることも魅力的だ。

IBM developerWorksでも昨年10月に2回連載で同製品のチュートリアルを丁寧な日本語訳で紹介している。
第 1 回 単純なワークフローを構成する
第 2 回 フォームと変数を構成する

 

BPMN 2.0ビジネスプロセス・モデル交換を試してみる

私が愛用しているProcess Modeler 5 for Microsoft Visio BPMN 2.0仕様サポート最新版(SR6)でモデリングしたプロセス図(図1)をBPMN 2.0 XMLフォーマット(図2)で保存しテストする。

図1: テストに使用したBPMN 2.0仕様のサンプル・プロセス図

営業見積プロセス(詳細モデル→Bonita Studioへエクスポート)

図2: BPMN 2.0 XMLファイルのエクスポート

ITP_Export

Bonita Studioのインポート・メニュー(図3)を使ってBPMN 2.0 XMLファイルをインポートした。
BPMN未対応のモデリングツールからは、XPDL 1.0形式でインポートできるようだ。

図3: Bonita Studioのインポートメニュー

Bonita_Import

インポートした結果は、ご覧のとおり。何ら手を加えることなく、オリジナルプロセス図の外観が伝承される。
BPM実行エンジンでサポートできていないBPMN 2.0要素も一目瞭然で分かる。
BPMN 2.0のエクスポート機能はサポートしていないので、ラウンドトリップ・エンジニアリングは行えない。BPMNの設計プロセス実装を目的としているので上流から下流への単方向で十分だ。また、これは他のBPM実行エンジンへの乗り換え防止のロックでもある。

 

図4: インポートされたBPMNサンプル・プロセス図

営業見積プロセス(詳細モデル→Bonita Studioにインポート)

 

以前、本プログで紹介した「Oracle BPMのBPMN 2.0プロセスモデル交換の実力」と見比べていただければ、BPMN-DI(Diagram Interchange)ファイル形式のモデル交換の方が優れていることがご理解いただけると思う。これでビジネスプロセスのモデル交換はBPMN-DIが主流になることが実証されたといえる。

 

BonitaSoft社に関する市場調査レポート:

http://www.gii.co.jp/report/ov166528-bonitasoft.html

BPM技術の効果的学習法のすすめ

2011年10月29日 コメントする

日本BPM協会でBPM入門セミナーの講師をしている私が最近感じることは、セミナー参加者が最近はベンダーやSIer層からユーザー企業のIT部門層に変わってきていることです。しかも、参加動機が「お勉強モード」から「実践モード」に移りつつあるように感じられます。

そこで、お金をかけないでSOA/BPM技術のイロハを自己学習する方法を紹介します。現在のところ、ツールは次の理由からOracle BPMS 11gを使って体験学習するのが最適かと考えています。

  1. OTN(Oracel Technology Network)の無償ダウンロードを使って期限なしで開発体験ができる
  2. 技術情報が豊富に公開されている(と言っても英語ですが…)
  3. 他のベンダー製品に比べてBPMN 2.0のサポートが強力

1については、オラクル社の製品戦略の特徴で、煩わしい営業を介さずにネットワーク経由で製品評価や技術研鑽ができる点にあります。OTN Discussion Forumのコミュニティも自由・活発で開発者相互間で助け合いながら技術情報の交換が行われています。2は、小規模の技術コンサルティング会社や個人がブログを通じて活用技法を発信し始めていることやハウツウ本が流通しており、マニュアルで理解できないTipsが入手できることです。3は、BPMN 2.0の期待効果を実装面から考察できます。

とは言え、10~20万円の自己投資と英語資料を読み漁る努力が必要です。苦労を伴いますが、挑戦してみることでSOA/BPMによる新しいテクノロジーの本質を理解でき、新しい目が開けると思います。

日本では日本語に翻訳された技術でないと伝搬しないきらいがあり、この点では情報技術後進国と言えます。是非この学習法に挑戦し欧米に負けない真のBPMエンジニアが台頭してほしいものです。

用意するハードウエア

開発および実行検証に必要なBPM Suite一式をスタンドアロンで仕立てるには、Window7、64ビットOS、8GBメモリーのPCを用意する必要があります。

SOA/BPMのサーバーはローカルホストで稼働させます。サーバーにはシングル・ユーザーしかアクセスできませんが、開発および実行検証には差し支えありません。

OTN(Oracel Technology Network)からの製品ダウンロードとインストール

インストールはかなり難解で、試行錯誤を覚悟しておく必要があります。

流通しているOracle BPM Suite 11g関連書籍

オラクル社が提供しているドキュメント量は膨大です。膨大であるが故に学習教材には不適当です。以下の2冊を購入することをお勧めします。

  • Getting Start with Oracle BPM Suite 11gR1, A Hands-On Tutrial(アマゾンで4千円~5千円)

営業の見積承認プロセス(SalesQuoteDemo)を題材にかなり丁寧に開発の仕方を解説しているチュートリアル本。このチュートリアルを通じでBPM技術の基本をマスターできる良書と言えます。だたし、パッチリリースが年2回程度あり製品改良スピードが速いので解説と製品機能が乖離し始めています。

  • Oracle Business Process Management Suite 11g Handbook(アマゾンで4千円~5千円)

本年10月に出版されたばかりの技術解説書。特にBPMN 2.0のプロセスモデリングと実装設計に焦点を当てています。

Oracle BPM Suite 11g関連プログ

現在、技術情報を発信している有効なブログページは、次のとおりです。

IDCがCordysとOracleを2011年のBPMS市場リーダと評価

2011年8月31日 コメントする

しばらく、ブログ投稿を休んでいましたが、興味ある記事を発見したので投稿します。

 

米国の調査会社であるIDCは、IDC MarketScapeでICT業界のあらゆる分野の製品およびサービスに関わるベンダー評価(スコアリング)レポートを公開している。
本年7月ごろ、同サイトに「2011年度のBPM Suite製品分析レポート:Worldwide Business Process Platforms 2011 Vendor Analysis」が有償公開されていたので探ってみた。
アナリストはJeff Silverstein氏で、調査レポートの入手価格は$15,000となっている。

幸いにもレポートの抜粋が他のリンクから無償で入手できたので紹介したい。

 

2011年度のBPMS市場リーダにOracleを指名

まず、Oracle Named a Leader in Business Process Management in IDC’s MarketScape for Business Process Platforms Reportをご覧頂きたい。
この記事は、IDCの調査レポートを材料にOracle社が宣伝用に発信したものである。Oracle評価レポートの抜粋(pdf)では、このレポートの総評、評価ガイドライン(BPMSに求める要件)が記載されており、評価概要を知る手掛かりになる。

同レポートでは、ガートナーの”Magic Quadrant Leader”と同様な形式で2011年現在のベンダーの勢力を下図のように描いている。
「丸(泡)のサイズ」は、2010年のBPM Suiteの製品開発&マーケッティングに関わるベンダーの経費支出の大きさを表しており(カッコ内の+ーは経費の増減を表すらしい?)、昨年BPMS専門ベンダーのLombardiを買収したIBMとBEA AquaLogicを自社Middleware製品に統合(BPMS 11g)したOracleがサイズの点で際立っている。能力の点ではCordysがOracleを上回るものの、Oracleが能力と戦略の総合評価でCordysを上回っている。

idc-marketscape-bpm-425228

Source: IDC, 2011

 

躍進するCordys

上図で際立っているのが、BPM専門ベンダーのCordysである。Cordysは、あのERPベンダーBaanの創設者であったJan Baan氏が創設した企業で、数年前は未だBPMS市場ではチャレンジャー的存在であったと記憶する。BPM専門ベンダーがSOAベンダーに吸収統合されるなか、専門ベンダーで唯一リーダーのポジションにあり、異色の存在である。
Cordysは、ナレッジワーカー向けの非定型プロセスを取り扱う”Case Management”機能をサポートしており、この点がOracleの能力を上回った理由と推測している。
日本国内でも昨年から多くのパートナーがサポート表明している。

<追記 2011/09/01>
2011年度のBPMS市場リーダにCordysも指名

Cordys社のWebサイトにもCordys Named a Leader in IDC MarketScape for Business Process Platformsの記事がありました。

 

総評(全製品):

IDC MarketScape Identifies Market Leaders for Business Process Platforms

カテゴリー:ベンダー動向, BPM, SOA

BPMN 2.0 オンデマンド・モデリング・サービスを展開するドイツのSIGNAVIO

2011年2月12日 コメントする

今回はドイツ、ベルリンに本拠地を置きSaaS型ビジネス・プロセス・モデリング・サービスを展開している異色企業、Signavio(http://www.signavio.com/en.html)を紹介したい。

同社は2009年に本事業に着手し、昨年からBPMN 2.0のモデリング商用サービスを開始しているベンチャー企業である。サービスの特徴は、月あたり約3千4百円(最低)の利用料でBPMN 2.0標準に完全に準拠したモデリング作業環境を提供していることだ。OMGが本年1月に公式リリースしたBPMN 2.0仕様をブラウザベースのグラフィカル・ユーザーインターフェイスの上に見事に実装しており、プロセス図のほか、コレオグラフィ図やカンバセーション図などの新しいダイアグラム機能、そして、XPDLやBPMN DI(Diagram Interchange)仕様によるプロセスモデル交換機能など、最新の標準技術をサポートしている。クラウドベースであるため、地理的制約がない協働作業環境下でビジネスプロセスを開発・管理できる。また、バリューチェイン・ダイアグラムを使ってBPMNプロセス図の上位階層を体系化できるエンタープライズ・レベルのプロセス管理機能も備えているもの大きな特徴だ。ユーザーインターフェイスはAjaxを採用しており、Windows系のクライアントツールと引けを取らない操作性を実現している。

ドイツ企業であるが故に、ARISユーザーの獲得も怠らないようだ。

図1. SIGNAVIOの機能構成

image

製品構成と価格

SaaS版 

Team Edition: 1アカウント月間利用料 29.95€(約3,400円)~

Premium Edition: 1アカウント月間利用料 74.95€(約8,500円)~

エンタープライズ・レベルのプロセス管理機能やWikiを使ったモデリング協働作業には、このEditionが必要。

On-Premise Installation版

価格は未公開(ご相談次第というところか?)

トライアル

  • Premium Editionの機能を30日間無償で利用できる
  • アカウントをWeb申請して5分後には即利用可能
  • チュートリアル、オンラインデモが充実している
  • モデリングの協働作業環境を体験できるようトラアル申請者のほか、5名の仲間のメールアドレスを登録してトライアルに招待できる
  • ブラウザは、Google Chromeを使う(IEは動作しない)
  • 日本語利用可能。だたしPDFへの出力では文字化けする

次の方々にトライアルをお薦めしたい。

  • 地理的制約がない協働作業環境下でビジネスプロセスを開発・管理したいと考えている方

(特にビジネスプロセスのグローバル展開・統治を考えている多国籍企業、 ユーザー企業、外部コンサルタント、BPM開発支援企業のなどの協働BPM開発プロジェクト)

  • コレオグラフィ図やカンバセーション図などのBPMN 2.0の新しいダイアグラム機能を体験してみたい方
  • BPMNプロセス図の上位階層プロセスの体系化とプロセス管理に興味ある方
  • ビジネスプロセス設計のSaaS事業モデルを考えている方

 

このサービスは高いか安いか?

数枚、数十枚のプロセス図をモデリングするレベルの利用者は、このサービスは高いと言うでしょう。

プロセス図は枚数が多くなるにつれ、開発・管理は幾何級数的に複雑になってきます。

数百、数千、数万のプロセス図を開発・管理する必要が生じた場合、利用者はこのサービスは安いと言うでしょう。

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