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#8216;プロセスモデリング’ カテゴリーのアーカイブ

BPM技術の効果的学習法のすすめ

2011年10月29日 コメントする

日本BPM協会でBPM入門セミナーの講師をしている私が最近感じることは、セミナー参加者が最近はベンダーやSIer層からユーザー企業のIT部門層に変わってきていることです。しかも、参加動機が「お勉強モード」から「実践モード」に移りつつあるように感じられます。

そこで、お金をかけないでSOA/BPM技術のイロハを自己学習する方法を紹介します。現在のところ、ツールは次の理由からOracle BPMS 11gを使って体験学習するのが最適かと考えています。

  1. OTN(Oracel Technology Network)の無償ダウンロードを使って期限なしで開発体験ができる
  2. 技術情報が豊富に公開されている(と言っても英語ですが…)
  3. 他のベンダー製品に比べてBPMN 2.0のサポートが強力

1については、オラクル社の製品戦略の特徴で、煩わしい営業を介さずにネットワーク経由で製品評価や技術研鑽ができる点にあります。OTN Discussion Forumのコミュニティも自由・活発で開発者相互間で助け合いながら技術情報の交換が行われています。2は、小規模の技術コンサルティング会社や個人がブログを通じて活用技法を発信し始めていることやハウツウ本が流通しており、マニュアルで理解できないTipsが入手できることです。3は、BPMN 2.0の期待効果を実装面から考察できます。

とは言え、10~20万円の自己投資と英語資料を読み漁る努力が必要です。苦労を伴いますが、挑戦してみることでSOA/BPMによる新しいテクノロジーの本質を理解でき、新しい目が開けると思います。

日本では日本語に翻訳された技術でないと伝搬しないきらいがあり、この点では情報技術後進国と言えます。是非この学習法に挑戦し欧米に負けない真のBPMエンジニアが台頭してほしいものです。

用意するハードウエア

開発および実行検証に必要なBPM Suite一式をスタンドアロンで仕立てるには、Window7、64ビットOS、8GBメモリーのPCを用意する必要があります。

SOA/BPMのサーバーはローカルホストで稼働させます。サーバーにはシングル・ユーザーしかアクセスできませんが、開発および実行検証には差し支えありません。

OTN(Oracel Technology Network)からの製品ダウンロードとインストール

インストールはかなり難解で、試行錯誤を覚悟しておく必要があります。

流通しているOracle BPM Suite 11g関連書籍

オラクル社が提供しているドキュメント量は膨大です。膨大であるが故に学習教材には不適当です。以下の2冊を購入することをお勧めします。

  • Getting Start with Oracle BPM Suite 11gR1, A Hands-On Tutrial(アマゾンで4千円~5千円)

営業の見積承認プロセス(SalesQuoteDemo)を題材にかなり丁寧に開発の仕方を解説しているチュートリアル本。このチュートリアルを通じでBPM技術の基本をマスターできる良書と言えます。だたし、パッチリリースが年2回程度あり製品改良スピードが速いので解説と製品機能が乖離し始めています。

  • Oracle Business Process Management Suite 11g Handbook(アマゾンで4千円~5千円)

本年10月に出版されたばかりの技術解説書。特にBPMN 2.0のプロセスモデリングと実装設計に焦点を当てています。

Oracle BPM Suite 11g関連プログ

現在、技術情報を発信している有効なブログページは、次のとおりです。

BPMN 2.0 オンデマンド・モデリング・サービスを展開するドイツのSIGNAVIO

2011年2月12日 コメントする

今回はドイツ、ベルリンに本拠地を置きSaaS型ビジネス・プロセス・モデリング・サービスを展開している異色企業、Signavio(http://www.signavio.com/en.html)を紹介したい。

同社は2009年に本事業に着手し、昨年からBPMN 2.0のモデリング商用サービスを開始しているベンチャー企業である。サービスの特徴は、月あたり約3千4百円(最低)の利用料でBPMN 2.0標準に完全に準拠したモデリング作業環境を提供していることだ。OMGが本年1月に公式リリースしたBPMN 2.0仕様をブラウザベースのグラフィカル・ユーザーインターフェイスの上に見事に実装しており、プロセス図のほか、コレオグラフィ図やカンバセーション図などの新しいダイアグラム機能、そして、XPDLやBPMN DI(Diagram Interchange)仕様によるプロセスモデル交換機能など、最新の標準技術をサポートしている。クラウドベースであるため、地理的制約がない協働作業環境下でビジネスプロセスを開発・管理できる。また、バリューチェイン・ダイアグラムを使ってBPMNプロセス図の上位階層を体系化できるエンタープライズ・レベルのプロセス管理機能も備えているもの大きな特徴だ。ユーザーインターフェイスはAjaxを採用しており、Windows系のクライアントツールと引けを取らない操作性を実現している。

ドイツ企業であるが故に、ARISユーザーの獲得も怠らないようだ。

図1. SIGNAVIOの機能構成

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製品構成と価格

SaaS版 

Team Edition: 1アカウント月間利用料 29.95€(約3,400円)~

Premium Edition: 1アカウント月間利用料 74.95€(約8,500円)~

エンタープライズ・レベルのプロセス管理機能やWikiを使ったモデリング協働作業には、このEditionが必要。

On-Premise Installation版

価格は未公開(ご相談次第というところか?)

トライアル

  • Premium Editionの機能を30日間無償で利用できる
  • アカウントをWeb申請して5分後には即利用可能
  • チュートリアル、オンラインデモが充実している
  • モデリングの協働作業環境を体験できるようトラアル申請者のほか、5名の仲間のメールアドレスを登録してトライアルに招待できる
  • ブラウザは、Google Chromeを使う(IEは動作しない)
  • 日本語利用可能。だたしPDFへの出力では文字化けする

次の方々にトライアルをお薦めしたい。

  • 地理的制約がない協働作業環境下でビジネスプロセスを開発・管理したいと考えている方

(特にビジネスプロセスのグローバル展開・統治を考えている多国籍企業、 ユーザー企業、外部コンサルタント、BPM開発支援企業のなどの協働BPM開発プロジェクト)

  • コレオグラフィ図やカンバセーション図などのBPMN 2.0の新しいダイアグラム機能を体験してみたい方
  • BPMNプロセス図の上位階層プロセスの体系化とプロセス管理に興味ある方
  • ビジネスプロセス設計のSaaS事業モデルを考えている方

 

このサービスは高いか安いか?

数枚、数十枚のプロセス図をモデリングするレベルの利用者は、このサービスは高いと言うでしょう。

プロセス図は枚数が多くなるにつれ、開発・管理は幾何級数的に複雑になってきます。

数百、数千、数万のプロセス図を開発・管理する必要が生じた場合、利用者はこのサービスは安いと言うでしょう。

Oracle BPMのBPMN 2.0プロセスモデル交換の実力

2011年2月3日 2件のコメント

本年1月に公開されたOracle BPM 11gR1 SP3をインストールし、 BPMN 2.0プロセスモデルの交換能力を検証してみた。

プロセス・モデル交換の標準化の動き

異なるBPM製品間のプロセスモデル交換は、「モデリング・ツールやビジネス・プロセス・ランタイム・エンジンの選択が制限される」という問題を改善すべく、上流のプロセス・アナリストから強く求められていた。

これまでは、国際標準化団体のWfMC(Workflow Management Coalition)が開発したXPDL(XML Process Definition Language)が、唯一のプロセス・モデル交換形式だったが、XPDLは、BPMNだけでなく、そのほかのモデルも対象にするため、形式も複雑で、サポートするツールも限られていた。BPMN 2.0では、プロセス・モデルの交換仕様として、BPMN DI(Diagram Interchange)仕様を定めた。このモデル交換形式は、BPMNメタモデルをベースにしたXMLファイルを採用しており、BPMN 2.0をサポートするツール間で使うことが前提である。

本年1月にOMGのWebサイトでやっとこの交換仕様を含むBPMN 2.0仕様が公式リリース(仕様書の参照先はここ)された。水面下では同モデル交換仕様の製品実装が各ベンダーで既に始まっており、年内には実証製品が登場すると思われる。

Oracleのプロセス・モデル交換ソリューション

Oracle社はOMGのBPMN DI仕様のサポートに先立ち、”Oracle Business Process Converter(OBPC)”というBPMN 2.0プロセスモデル交換機能をSP3リリースで公開した。同OBPCは、現在のところVisio、およびXPDLのXMLファイルに出力したプロセスモデルをOracle BPMおよびOracle BPA(Business Process Architect)にインポートできるようだ。

OTN – Oracle Business Process Converterのダウンロードサイトから入手した資料によれば、図1の赤い矢線で示す5方向のモデル交換可能になっている。

図1. OBPCがサポートするモデル・インポート/エクスポート機能構成

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図1の上位にあるOracle BPAは、Oracle BPMが取り扱うプロセス・フローの上位階層にあたるエンタープライズ・レベルのプロセス・モデル開発と管理をサポートする。同製品は元々ARISのOEM製品であったが、最近ではEPCダイアグラムのほかBPMN 2.0のプロセス・フロー図もサポートしている。

中段にある”Tutor Author 14”は、ユニークなBPMN文書化機能で、BPMNに表記したプロセス定義をMicrosoft Wordに変換し、BPMNが読めないビジネス担当者でも文書形式でレビューできる。文末の図6にそのアウトプット例を示す。

Visioは、通常のvsd拡張子ファイルではなく、vsx拡張子(XML図面)ファイルでアウトプットしておく必要がある。

XPDLは現在、次のBPM製品のマッピングが事前設定されている。

• Provision
• Bizagi
• Tibco

ためしてガッテン

私が愛用しているProcess Modeler for Microsoft Visioでモデリングした図2のBPMNプロセス図をもとに図1の①と②を変換パスを試してみた。

図2. Visioで作成したBPMNプロセス図

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図3は、インポート完了後に表示されたOracle BPM側のBPMNプロセス図である。元図作成に使用したProcess Modeler for Microsoft VisioのBPMN要素ステンシルは、このConverterに事前設定されているようで、図形要素のマッピングを行わなくても変換可能だった。Converterのリリースは初版であったため、パラレル・ゲートウェイの変換に一部問題が存在していた(これは開発元にレポートする予定)。各図形要素を元図と同じ位置に配置してくれるので再配置の手間がなく非常に助かる。

図3. Oracle BPM Studioにインポートされたプロセスモデル

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元図ではせっかく、ヒューマンタスク、ビジネスルールタスク、サービスタスクなど各タスクのタイプを設定していたのだが、インポート時にその情報が失われたのは残念。

Oracle BPM側で図4のようにタスクタイプを再割当てし、シーケンスフローの経路を再配置した結果が図5である。

図4. タスクタイプの割当て

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インポートを開始してからおおよそ5分で図5が完成した。元図よりカラフルで美しいかも知れない。

図5. 編集を完了したプロセス図

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図5の完成後、”Export to Oracle Tutor”を実行すると図6のMS Word文書が得られた。

この文書には、作業の分担、役割ごとのやるべき作業、作業の着手順番と実行条件などが記述されている。今リリースは日本語版でないためシステムメッセージは英語になっている。

図6. Tutor Author 14のアウトプット

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考察

以上の検証から、Oracle BPMのBPMN 2.0プロセスモデル交換は、実用レベルに達していると私なりに評価した。今後、BPMN DI(Diagram Interchange)仕様のプロセスモデル交換もサポートされれば、片方向(サードパーティ→Oracle製品)だけでなく、双方向の交換も可能と思われ製品の進化を期待したい。


InfoQの「BPMはソフトウエア工学ではない」に同感!

2011年2月1日 3件のコメント

InfoQ日本語サイトの1月記事 「BPMはソフトウエア工学ではない」が面白いので紹介したい。

同記事は、Keith Swenson氏がBPM.comの新しい記事(BPM is NOT Software Engineering )で述べている内容を日本語訳で紹介している。

読むポイント:

1. BPMは、「アプリケーションを設計、開発する新技法、方法論」と勘違いしてるソフトウエアエンジニア

2. UMLとBPMNの無駄な比較論争

UML:ソフトウエア工学

BPMN:ビジネス工学(Business Technology)

Oracle BPM Suite 11g パッチリリースが半年ぶりに公開された

2011年1月27日 1件のコメント

2011年1月14日、Oracle BPM Suite 11g パッチリリース(11.1.1.4)が公開された。昨年6月に公開された11gの初版(11.1.1.3)から半年ぶりの改訂版リリースである。

今回の改善では、下図のようにVisioおよびXPDL 2.0で作成したプロセス図をBPMN 2.0形式に変換してインポートできる機能も追加されている。

また、イマイチであったフォーム生成機能が改善され、フォーム生成用のテンプレートをユーザーが事前に作成できるようになっている。

ダウンロードが必要なソフトウエア/プロダクトは次のとおり。

1. Oracle WebLogic Server + Coherence – Package Installer 10.3.4 Size: 796 MB

2. Repository Creation Utility 11.1.1.4.0 Size: 308 MB

3. JDeveloper 11.1.1.4.0 Size: 1.24 GB

4. SOA Extension for JDeveloper 11.1.1.4.0 Size: ~200 MB

5. BPM Extension for JDeveloper 11.1.1.4.0 Size: ~55 MB

6. SOA Suite 11.1.1.4.0 Size: 3.5GB

7. Tutor Business Process Converter Size: 15MB

詳しくは、BPM Suite 11gR1 PS3 Releasedを参照されたし。

BPMN 2.0 ビジネス・プロセス・モデリングの解説をThink ITで連載

2010年9月3日 コメントする

『Think IT』 / 2010年9月「限界を超える開発手法」特集で
ソフトウエア開発者に向けて、BPMN 2.0を中核にモデル駆動型開発の現状と
最新動向を解説することになりなした。

2010年9月3日から順次(全4回連載)公開します。

第1回公開: 2010年9月03日 BPM/SOAの設計・実装アプローチ
http://thinkit.co.jp/story/2010/09/03/1741
第2回公開: 2010年9月10日 BPMN 2.0の概要とビジネス・プロセス・モデリング
http://thinkit.co.jp/story/2010/09/10/1757
第3回公開: 2010年9月17日 BPMN 2.0エンジンと各社BPMツールの実装
http://thinkit.co.jp/story/2010/09/17/1762
第4回公開: 2010年9月24日 ビジネス・プロセス・モデリングの最新動向
http://thinkit.co.jp/story/2010/09/24/1771

BPMに関心ある若手エンジニアの勉強会

2010年8月28日 コメントする

日本BPM協会は、情シス若手エンジニアが、問題意識・挑戦意欲を高め、自らの仮説を持ち、BPM実践の推進力として活躍するきっかけを掴むことをめざして「情シス部門若手勉強会」を9月末から定期的に開催します。

定員10名、35歳以下と厳しい募集要項ですが、将来のCIOを担える人材が巣立と良いですね。

カテゴリー:プロセスモデリング, BPM

BPMの新しい動き、ケースマネージメントとは

2010年6月28日 コメントする

最近、BPM業界では急速に「ケースマネージメント」の適用技術が論じられるようになった。しかし、日本国内では未だ馴染みのない用語だ。そこでケースマネージメントの考え方、動向を紹介したい。

 

ケースマネージメントとは

ケース・マネージメントとは、特定事案(Case)に対する行動計画、適切な実行者のアサイン、行動記録、進捗管理など、一連の管理サイクルを現場レベルで行う概念で、定型ビジネス・プロセスの枠組みに非定型ビジネス・プロセスをサブセットとして連携させ弾力的に業務運用可能にする。図1の例ではケース・マネージメントは、「アドホック、混迷、無秩序な人的活動」のビジネスプロセスをサポートし、これまでのBPM管理概念の領域であった「構造化された人的活動」(ヒューマンセントリック・プロセス)および「システム中心プロセス」(システムセントリック or インテグレーションセントリック・プロセス)を補完する。

 

図1.ダイナミックBPMプラットフォームの台頭

3つの作業領域

現在、標準化が進んでいない中、次の15のBPMツールベンダーが何らかのケースマネージメント機能に取り組んでいる。

  • Singularity
  • Cordys
  • Global 360
  • Sword (旧Graham Technology)
  • Itensil
  • TIBCO
  • EMC Documentum
  • IBM (FileNet)
  • BizAgi
  • Pallas Athena
  • Pega
  • Polymita
  • HandySoft
  • Fujitsu Interstage
  • Oracle

 

定型ビジネスプロセスにダイナミック・プロセスを組み込む富士通製品

その一例として、富士通は図1の概念の一部を自社製品のInterstage BPMで昨年秋に実現している。Interstage BPM V11では、あらかじめ定義したワークフロー内のタスクを現場レベルでさらに詳細なタスクに動的に分割定義、改変でき(taskingという)、進捗管理も可能なダイナミックなBPM機能を備えた。この製品は、「定型プロセス→非定型プロセス→定型プロセスに戻る」といったシームレスなプロセス間連携を提供するのでビジネス・プロセス管理にプロジェクト管理機能を加えた新しい使い方が可能だ。

図2.富士通のダイナミックBPM

富士通のプロセスアウトライン

富士通のダイナミックプロセスの作成

 

ダイナミックプロセスのサポートで現場オペレーションはどう変わるか

ビジネスプロセスに素早い変化対応力が求めらた場合、プロセスモデリングに立ち戻り、分析→設計→実装→実行のパスを上流から段階的に進める方式では遅い場合がある。また、ナレッジワーカーの混沌とした事案対応手順をその都度現場レベルで定義し作業管理したい場合がある。

このようにプロセスを現場レベルでダイナミックに定義、ないし変更できるBPM技術は2点ある。1点目は、ビジネスルールエンジンの利用だ。何らかのビジネスルールが変化した場合、ルールベースに保存しているビジネスルールを即刻変更しビジネスプロセスのフロー制御条件を変える手だ。しかし、この方法はルールのパターンをワークフロー上にあらかじめ定義しておく必要があり、事前定義型プロセスモデリングアプローチだ。2点目は、ケースマネージメントの利用で、実行時にプロセスの実行手順(タスク)を事案ごとに定義することだ。これは事後定義型プロセスモデリングアプローチと言えるものだ。

図3は、双方ともBPMプロジェクトでプロセス再設計、実装、配備といった大がかりな手順を踏まなくても、現場主体で変化対応できる姿を表している。
ただし、現場のオペレーションでルールを定義したり、タスクを定義する作業が必要になり、業務現場の管理者、担当者に「変化対応マインド」がなければ、この技術は生かされないだろう。

 

図3.素早い変化対応力のある動的業務オペレーション環境

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当ブログで最近紹介したガートナー2010年以降5つのBPM予測の中で、ダイナミックBPM適用により現場業務がどう変わるか次のように予測している。

    • 2012年までに
      企業が直面する20%のプロセスは、BPM技術の支援を受けながら、ナレッジワーカー自身が彼らの要求と好みに応じジャストインタイムでそのプロセスを自己変更できるようになるだろう。
    • 2013年までに
      ダイナミック BPM の導入は、増大するカオス的業務プロセスに効率を求める企業の緊急命題になるだろう。
    • 2014年までに
      グローバル2000企業のビジネス管理者、ナレッジワーカーの40%が広範囲に可視化されたビジネスプロセスモデルを日々の作業で使うだろう。2009年は6%に過ぎなかった。

 

ダイナミック・プロセスのBPMN適用を模索するOMG

OMGは2009年9月にポストBPMN 2.0の主題としてCase Management Process Modeling(CMPM)の仕様提案(RFP)の募集を開始した。BPMN標準に非定型ビジネス・プロセスの可視性を追加する考えだ。このRFPの冒頭に仕様策定の狙いが次のように述べられている。

RFPの目的

本RFPは、ケースマネージメント・プロセスを支援するためのBPMN 2.0メタモデルの拡張提案を求めるものである。ケースマネージメントは、プロセスの実行毎にそれぞれ異なる特定の状況あるいは情勢(ケースという)とそのケースに対する要求成果を持ち、それぞれのケースは、要求成果を達成するサブジェクト(人、訴訟問題、保険請求など)とそれに関連し執行した行動を含む。

ケースマネージメント・プロセスは、デジタル化された知識ベースとして、過去のケースと行動履歴、および現在のケース状況を記録したケースファイルを持ち、そのファイルは複数の文書、あるいは補足的な参照情報の記録から構成される。ケースファイルは意思決定者に助言、気づき、制約、計画支援を提供し、意思決定者はそれをよりどころに、関連する事実を熟考し関連する行動を追跡することになる。

ケースマネージメント・プロセスの自動化は、

  • 過去のケース履歴から特定事案のベストプラクティスを学習可能にし、業務遂行者の問題解決能力を高める。
  • ケースマネージメント・プロセスの再利用とタイムリーな変更を可能にし、プロセスをより規範的で繰り返し可能な定型業務プロセスに発展させる。
  • 適切な記録が確実に維持される手段を提供する。
  • 適切な行動をよりタイムリーに発動できる。
  • アドホックな(一時しのぎの)プロセスの適切な個所に会社で定められた規則やポリシーを組み込むことを可能にする。
  • ケースマネージメント機能を含むビジネスプロセスモデルの交換を可能にする。

ベンダー製品の多くはそれぞれ独自の方法でこれらのニーズに取り組んでいる。しかし、各社固有のケースマネージメント機能が、標準不在のままBPMNプロセスモデルに取り込まれる限り、そのモデルはツール間で交換できず、ユーザーは複数のグラフィック・プレゼンテーションに向き合い、モデリングツールやビジネスプロセス・ランタイムエンジンの選択が制限されることになる。このRFPは、これらの相互運用性の課題解決を対象とすることにある。

この記述から、ケースマネージメントの基本概念は、「ナレッジワーカーの問題解決ケース(事例)を記録し、新たな問題解決に示唆を与え、より適切な行動に導くPDCAサイクルの実現」と定義できる。ケースマネージメントについては論議が始まったばかりで、未だ明確な定義は存在しない。今後はこの分野の標準化が進展することで合意形成が行われるだろう。

あのKeith Swenson氏が自著「Adaptive Case Management」のPRのために急遽来日

2010年6月24日 4件のコメント

以前、当プログで「富士通Interstage BPM StudioのBPMNサポートとXPDLを活用したBPMNビジネスプロセスモデル相互交換」と題し紹介した記事でFujitsu AmericaのKeith Swenson氏(http://kswenson.wordpress.com)を紹介した。彼は現在、これまでのBPM技術では難しいUnstructure Process (事前定義できないビジネスプロセス)のBPM適用について製品開発・マーケッティングの両面で活躍しており、富士通Interstage BPM製品に自身の考え方をナレッジワーカー向けのダイナミックBPMと呼ぶソリューションとして具現化している。

今回、自身の考えをMastering the Unpredictable with Adaptive Case Management (私勝手な日本語訳:「ケースマネージメントで予測できない事態を克服する」)という本にまとめたので、来日の折り日本の方々に紹介したとの連絡があった。来週の金曜と差し迫ったスケジュールですが、ケースマネージメントについて知りたい方は是非エントリーください。

スケジュール:

日時:2010年7月2日 9:3011:30
参加料: 無料

定員:35 人(先着順のため早めのエントリーを!)
会場:イタリアンバール Befana – 新横浜 (神奈川県 横浜市港北区 新横浜1-4-8)

参加申し込み: “Mastering the Unpredictable” presentation by Keith Swensonさん (BPMinna) : ATND

「場所はイタリアンレストランなので、よろしければプレゼンの後に一緒にランチを食べましょう。」とのこと。

ケースマネージメントとは?

ケースマネージメントは、業界では未だ明確な定義がされていない状況で、一般的には次のような言い方で呼ばれている。最近、BPMツールベンダーも「CASE MANAGEMENT」のサポートを次世代BPMの機能要件として言い始めている。

  1. Case Management  (ケースマネージメント)
  2. Dynamic BPM (動的プロセス)
  3. Unpredictable Process Support  (予測不能なプロセスのサポート)
  4. Impromptu Process Support  (即興的、場当たり的プロセスのサポート)
  5. ガートナーの定義 “Unstructured BPM”  (非構造のBPM)

分かりやく言えば、下図③のように事前に形式化(画一的に定義)できない不安定なビジネスプロセスを取り扱い、事案(ケース)の解決実行記録(どんな命題を、どんな人が、どんな方法で、どのくらいの時間で解決したか)をナレッジとして蓄積し、新たな事案対応をより円滑に行う仕組みである。製品開発、研究活動、事故対応など事案ごとに問題解決プロセスが異なり、プロセスが変化する業務に必要な仕組みで、ナレッジワーカーの創造的活動はこの領域に該当する。

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カテゴリー:プロセスモデリング, BPM

やっと出た国産BPM on demand! クエステトラBPMS SaaS版

2010年6月16日 コメントする

本日、クエステトラからクラウドベースのBPMS新版の発売開始アナウンスがあった。

5ユーザまで無料で利用可能だそうで、スモールスタートでBPM概念を検証・導入検討する企業には朗報だ。

先週、日本BPM協会主催の「第1期SI事業者向けBPM実践ワークショップ 」でBPMの設計・開発・実行の基本的流れを理解するため、このクエステトラBPM Suite SaaS版を参加者20名の演習に使わせていただいた。ログイン・アカウントを頂いてからおおよそ3時間で演習用のビジネスプロセス図の作成、データ項目の定義、実行の検証、演習参加者のユーザー設定が完了し、on demandの素晴らしさを体感した。

クエステトラは、「人にやさしい」、「マニュアルはほとんど見なくていい」、「超簡単」など、国産ツールならではの使用感たっだ。軽量ツールではあるがBPM概念の基本をちゃんと押さえており、好印象だ。

クエステトラの利用価値のひとつに、「現場業務担当者を巻き込み、机上で設計したビジネスプロセスを現場業務の流れに沿って、各役割担当者が具体的なデータを操作して短時間でプロセス検証できる」点があげられる。つまり、プロセス設計案を実行可能なプロセスモデルとしてビジュアルにウォークスルーできるのだ。欧米のBPMプロジェクトではプロセスのシナリオ検証手段としてこのウォークスルー手法が使われている。

ビジネスプロセス図は作成できたとしても、実行(execution)までの道のりにはデータ項目定義、ユーザーインターフェイス設計など多くの詳細設計作業が控えている。しかし、クエステトラの仕様定義要素は極めてシンプルなので、ビジネスプロセス設計案が確定してさえいれば、下図のような少ないステップで詳細設計仕様が確定できる。

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ビジネスプロセスのプロトタイピング程度なら無償で行えるので、ユーザー企業、開発パートナー双方にとってかなり魅力的だ。

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