BPMのオープンソースプロバイダーからクラウドソリューションベンダーに変貌するIntalio
Bruce Silverの2010年6月9日付BPMS Watch で、Intalio Launches Helium (インタリオが”へリューム”プロジェクトスタート)の記事があったので、さっそくサーチしてみた。
Intalioと言えば、BPMNのビジネスプロセス図からBPELを自動生成しプロセスを駆動する技術の先駆者、BPMN標準の開発発起人、オープンソースBPMSの草分けある。国内でも一部のBPEL好きのエンジニア層で人気があり、OEM契約しているベンダーもあるようだ。しかし、私はBPELで人間中心のヒューマンプロセスを駆動するのは制約が多く、彼らが製品をBPMSと呼ぶことは懐疑的だった。しかもオープンソースモデルで事業が成り立つワケがなく、このままでは必ず壁に突き当たると考えていた。
しかし、Intalioの2010年6月7日のニュースリリース、Intalio Announces First Integrated Stack for Private Cloud Computing によると、「on demand(パブリッククラウド)とon premise(プライベートクラウド)の双方をシングル・プラット・フォームアーキテクチャで!」をキャッチコピーに、これまでの事業モデルを大きく変え、BPMSのオープンソースプロバイダーからクラウドソリューションベンダーで変貌する構想のようだ。しかも、製品アーキテクチャは、これまでのBPELエンジンのほか、BPMN.2.0サポートのプロセス駆動エンジンを新たに搭載し、ビジネス・アクティビティ・モリタリング(BAM)、ビジネスルールエンジン、ヒューマンタスク・マネージャ(人の割当ルール管理)など、ヒューマンプロセスで必須な機能を追加し、充実させる計画だ(下図のLabsマークは開発中を示す)。
製品構成
SaaSはアプリケーション、PaaSは開発ツール、IaaSは運用管理用のインフラツールを示し、ランタイムとデザインタイムの両環境をクラウドベースで提供する。
Bruce の話によれば、SaaS型BPM on-demand サービス料金は、シングルテナント利用の場合、5ユーザー以下なら無償、それを超えるユーザー数は 1ユーザ・1ヶ月あたり9ドル~99ドルだそうで、ソリューションプロバイダーには朗報だ。
Intalio|BPMのアーキテクチャ
業界でリードしているOracle BPM Suite 11gと同様にBPMN2.0エンジンとBPEL2.0エンジンのハイブリッド構成になっている。
Native BPMN 2.0 Architecture
Intalio|BPM is architected from the ground up to take advantage of the BPMN 2.0 specification (Learn More). BPMN 2.0 is not only used for the modeling of business processes, but also for their execution, thereby eradicating the semantic gap that existed between BPMN and BPEL until now. For this purpose, Intalio|BPM is built around a next-generation process engine capable of executing BPMN 2.0 processes natively, without having to resort to any code translation.
BPMN2.0をサポートするモデリングツール
これまではBPEL駆動エンジンのため、スイムレーンをサポートできなかったが、BPMN駆動エンジンの追加によりサポートできるようになった。モデル表記はBPMN2.0準拠だ。
機能
ロードマップ
今年の夏には次の機能を完成させ、来年春にはすべての構想を完成させる計画だ。
- Web-based BPMN 2.0 Process Modeler
- Enterprise Repository
- Extensible Modeling Framework
- Object Builder
- Mashup Studio
考察
私は当ブログで、過去から一貫して「BPMSは、BPMN直接駆動型エンジンとBPEL駆動エンジンのハイブリッド型が主流になる」と述べてきた。これまでかたくなだった「BPEL信奉主義」をやめ、クラウド事業モデルに移行するIntalioの大英断は大歓迎である。
